GPSを試用する5

20140328追:
最強のGNSSモジュールGms-g9をゲットせよ!


すでに1か月以上前からバリバリに使いまくって素晴らしい成果を収めておりますが、
みちびき(QZSS)対応のGPSモジュールであるPA6C(正式名称FGPMMOPA6C)を改めて
紹介したいと思います。


もうみなさんはみちびきという単語はご存知かとおもいますが、これは日本の準天頂
衛星システム
(Quasi-Zenith Satellite System)を担う人工衛星群の初号機を指します。
みちびき(と後続して打ち上げられる予定の準天頂衛星たち)がもたらす恩恵は日本を
中心としたアジア地域のGPSなどのナビゲーションシステムの測位精度が格段に上昇
することにあります。文字通り電波の入りやすい天頂付近にに衛星が常に位置するこ
とにより今までは測位できなかったり精度が非常に悪かったビルの谷間や山間部で
大幅な改善がみられるようになります。

QZSSからはおもいくそ大ざっぱに分けて二種類の情報が送信されます。
GPS補信号:
 ->L1C/A信号・L1C信号・L2C信号・L5信号と呼ばれるいわゆる近代化GPSと同等の
  信号のこと。GPS衛星から送信されるものとは微妙に違うのでQZSSに対応してない
  GPSモジュールでは解析ができない。測位精度はGPS衛星と同じ"数メートル以上"。
GPS補信号:
 ->L1-SAIF信号・LEX信号と呼ばれる測位情報の精度や信頼性のさらなる改善を行う
  ための信号のこと。測位精度はサブメートルオーダーになるとのこと。

2011年6月にいくつかのアラートフラグが解除され、12月現在は,GPS補完信号が
利用可能となっています。つまりQZSSに対応したGPSモジュールを使用するとGPS衛星
が測位しやすい頭上に一つ追加されるということになります。
さらに詳しい話はJAXAさんのHPに丸投げを見てくださいね。
QZ-VISION
QZS-1(みちびき)特設サイト


さて、みちびきを含むQZSSはGPS衛星と微妙に信号の情報が異なるため、現在出回って
いるQZSSに対応してないGPSモジュールでは受信ができません。
ファームウエアの対応で可能といわれてはいますが、残念ながらそういったサポート
はほとんどメーカーと代理店レベルでしか対応してくれない話なので、私たちホビー
ユーザーは元から対応を唱っているモジュールを購入する以外に方法はありません。

2011年12月現在、GlobalTop社が出しているPA6CというモジュールはQZSS対応のMT3339
(MediaTek社)というチップが搭載されており、すでに欧州圏で販売されています。
日本国内でも11月あたりから販売されていますが、取り寄せで2週間掛かること考える
と先に述べた前者ほうがユーロ安の現状を考えると早く安く手に入るでしょう。


GT-723F,UP-501との比較は以下の表のとおり。

UP-501もかなりすごいのですが、もはやPA6Cを使わない理由はないですね〜
消費電流も最大で25mA以下なので動作時間もさらに長くなります。


GT-720Fと比較したところ。もう3回り以上違いますね大きさが。


差し替えが容易になるようにユニット化した状態でUP-501と比較したところです。
PA6Cのユニット化に際しデータシートの指示通りフェライトビードとMLCCのキャパシタ
で構成されたフィルタを通じてVCCに入力されるようにしてます。このフィルタはかな
り重要です。


データシートの指示通り50mVp-p以内に納めないと…そもそも電源-GND周りをしっかり
こさえておかないとせっかくの測位精度や補足時間の性能がガタ落ちになります。
今回よりSTM32Primer2から引き出されるVCC・GND電線を温度変化にタフなUL3266
のAWG22番線を採用し(他のラインもUL3266に変更)大幅に補強してます。


そうだね画像使いまわしだね

というわけでSTM32Primer2のベースから差し替える形でPA6CとUP-501の動作を実際に
比較してみました。2011年12月中旬現在、みちびきは正午あたりにちょうど日本の天
頂付近に来ます。その結果は…(注:

PA6Cを使用したモジュールでは天頂付近,画像のGPS衛星表示には193の衛星IDを持つ
衛星が見えます。上で述べたみちびきのGPS補信号のPRNは193(衛星IDも193だった)
であり、みちびきをしっかりとらえているのがわかります!ちなみに衛星ID42は日本のSBAS
衛星として見えるMTSAT-1Rです。現在アラートフラグが解除されているのはGPS補信号
のみで、GPS補信号のL1-SAIF信号はまだ解除されていないようなので捉えることはでき
ませんでした。将来アラートフラグが解除されると衛星ID183(SBAS扱いならば衛星ID96か)
が193番とオーバーラップして表示されることになるとおもいます。


一方UP-501では天頂付近に見えるはずの衛星ID193は見えませんでした。やはり既存
のGPSモジュールで見ることは不可能(=みちびきを利用できない)のようですね。

また、A-GPSを使用しない状態でCOLD,WARM,HOTの状態からのTTFFを比較してみました。
(天気晴れ & 周りに遮蔽物がない建屋の屋上をお昼休みに許可もらって測定)

●PA6C
 ・Cold  約40Sec
 ・Warm  約11Sec
 ・Hot   約2Sec

●UP-501
 ・Cold  約40Sec
 ・Warm  約16Sec
 ・Hot   約1Sec

いずれのモジュールもColdとWarmStartは±7sec程度のバラつきが見られました。
これは天候・遮蔽物にかなり左右されるので参考程度に。HotはUP-501のほうが早い
という意外な結果になりました。


そしてこのモジュールを実際にGPSロガーの心臓部として実際のフィールドで使用
した結果や市販品ロガーとの比較等はこちらこちらで公開しています。
動作時間を少しでも延ばすためにGPGSAとGPRMCしか記録していませんが生のNMEA
も公開してますので、GoogleEarth等で軌跡を表示して確かみてみてください。
ついでに東海自然歩道の記事も見r


20111226追:
osqzss氏からコメントいただきましたのでGPS補信号も受信できるか調査してみました。
テストフラグの有り無しに関係なくすべてのSBAS衛星を補足する"$PMTK319,1*24"を
設定し、STM32側のロガーのファームも補足衛星数が6以上になるとGPGSVを記録するように
改修してみちびきが天頂にいる10時~15時の約5時間ほどロギングしてみました。
しかし…

残念ながらL1-SAIF信号のPRN183(本当にSBASなら183-87=96か)補足できませんでした。
みちびきのGPS補完信号が極まってる状態のGPGSVのログはこんな感じでした↓
$GPGSV,4,1,13,193,84,345,33,17,76,341,39,42,49,171,,20,43,048,22*45
$GPGSV,4,2,13,28,38,209,24,04,38,287,37,23,31,111,,10,31,216,41*76
$GPGSV,4,3,13,01,21,070,,13,19,142,,32,17,043,,11,09,090,*74
$GPGSV,4,4,13,02,06,272,14*4D
参考にGPGSVのサテライトIDだけを抽出したエクセルファイルも置いておきます。
L1-SAIFの信号に何らかの制限がかかっていてまだ一般レベルでは使用できないのか、
はたまたPA6C(かその内部のMT3339)がL1-SAIFにそもそも対応していないのか、
しばらく静観することにしましょう。

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