いろいろ試す52

●CodeLite+GDBを使ったARMデバッグ環境移行加速す!


oh...myコンブ・・・とうとうこの日がやってきた…
InsightだとGCC12からサポートされたdwarf5フォーマットのelfが読めない…
ARM-GCCのバグのせいかdwarf4形式のリンカオプションつけてもdwarf5・・・

orz



というわけでねむいさんのぶろぐ旗揚げから13年間続けてきたInsightによる
デバッグ法
に別れを告げ、かねてより評価中のCodeLiteによるGDBデバッグ
環境移行と同手順書作成に本腰を入れております!



移行で一番の障壁はworkspaceの概念でしたが…幸いにもディレクトリを遡る
相対アクセスが問題なくできたのでmain.elfを相対参照するようにしたら
デバッグするたびいちいち設定しなおす必要もなく同一のworkspaceファイル
の使いまわしができそうです!



CodeLite.exeはなんでかgnumake3.81から直接召喚できなかったのでwindowsの
CMDでの機能で代用しました。ちゃんと引数付きで呼び出しもできたので
ここで上で説明したworkspaceファイルを相対アクセスで開きます。


実際のデバッグ画面です。
ソースレベルでステップ実行とかの基本は当たり前の余裕ですね。


InsightではWin10では即堕ちして使いものにならなかったCPUレジスタ参照は
バリバリできています。


F7,H7の浮動小数点レジスタも楽勝です♨

…なのですがなんでかこれらレジスタ表記は10進数(一部は16進数)固定で、
進数の切り替えができません。Insightでは柔軟にできてたのでここに
ついては要改善ポインツですね。


また、周辺I/Oのレジスタ値を直接参照するIOView機能とかも一応使えます。
IOViewは周辺レジスタをconst宣言しているせいか、変数参照ウインドウから
直接値を変えられませんでした。
constでも値を自由に変えられちゃうInsightのほうが逆にダメだったのかも。


回避策としてOutputウインドウからコマンド直接入力で値を変えられます。
Outputウインドウと銘打ってますがGDBのコマンド入力も受け付けています。


そして特筆すべきはInsightとは違いGDBから完全に独立したGUIとして働くので
ARMだけではなく他のCPUコアでもそれ用のGDBさえあてがえば普通に使えます!
先月紹介したSTM8Lもご覧の通りばりばりデバッグ可能です!
ていうかSTM8Lの記事ぶん投げっぱなしですが来月がんばります!!!!


となるとESP32とAVRのデバッグ環境もCodeLiteで一括化できそうなので、特に
5年くらい放置してるESP32とかはやる気出てまた活動再開できそうな感じです☆
ARMマイコンビルド/デバッグ環境構築手順もCodeLite+GDBデバッグを主眼にした
2022年版に書き替えている最中ですのでこうご期待!


また、待ちきれない方に先んじてWin10環境下でCodeLite+GDBのデバッグ環境
対応のプロジェクトに更新しております。現在以下のものが対象です!
STM32H7-Disco
STM32F7-Disco
STM32F4-Discovery
STM32G0ベアメタル


●ARM-GCCがまたアップデートしていた。
まず、前回のいろいろ試すでアップデートされたGCCでビルドすると…

前回記事にしていたにかかわらずこれ気づかんかった…
ちゃんと検証してなかったのバレバレの私orz
これかなり致命的なバグでしたね…私のおきぱのプロジェクトがほぼビルド
不可能状態でした…すみません。
これ前回のいろいろ試すにも警告書いときます。

現行のGCC11.3ものは緊急修正が加わってちゃんとビルドできるようになってます。
が、冒頭のdwarf5の問題でInsightデバッグができなくなってますので要注意!


●AVRDUDEにパッチを投げたお話
これも9年越しの話なのですがねむいさんはJTAGKEY等のFT2232系のISP/JTAG
書き込みで、1セクタサイズ以下のサイズのバイナリを書こうとしたら正常に
書き込めないバグを見つけておりました。しかし、そんな超限定された条件、
例えば128kByteの容量を持つatmega1284p(フラッシュセクタサイズ256Byte)に
たった202バイトの容量のLチカプログラムを書き込むやつがいるだろうか?
という原因からか9年放置されていました。


が、オワコン化したかと思われたavrdudeがgithubに移行したとたんバリバリ
更新がかかりまくるようになり、9年前の問題が再び目に留まったのでわたしも
この問題に決着をつけるべく参戦を果たしました!!!
(☝お前AVR辞めたんちゃうんかいという突っ込みは一切なしで)

その後、管理者の人のコードレビューと別の修正が合体して正式にコミット
されています。


リンク先の議論にもありますがねむいさん的には符号付整数で比較を
行うと符号拡張で符号なし整数では思わぬでかい数字が入ってしまって
思ったような評価ができないのを危惧したのですが最終的に符号なし
整数同士の評価で終わるようにしてくれて実際に問題なく書き込みが
できるようになったのでよしとしましょう。

Comments

Post a Comment








Go to top of page