WVGAな解像度で容量性タッチパネルなTFT-LCDモジュールを動かすその2

どこへ行っていたンだッ!カンガルー先輩ッッ!!
俺達は君を待っていたッッッ!!


なんとめでたい・・・いつの間にかトラ技にカンガルー先輩が帰って来てくれて
ましたよぅ!また暴れまわろうZE☆
めでたしめでたし♥


















以下はおまけです。






前回のWVGA液晶の紹介の際にコメント欄で早々にネタバレされてしまい、おまけに
六甲全山縦走路攻略とかなにやらでサボっていた隙に章さんに先を越されて
しまいましたが480x800をさらに越える480x854という膨大なサイズを持ちつつ容量性
タッチパネルを当たり前のように持つ5inchなTFT-LCDモジュール
を4ヶ月くらい
以上前に入手して動作せしめておりますので紹介させていただきます。



前回モジュールとの大きさ比較です。4.3inchでもでかいと感じてましたが5inchの
爆☆発☆的な存在感には到底及びませんね〜♥
TFTのコントローラICはILI9806Gとなります。

ここでいきなりですが前回と同じ注意ですが大解像度の液晶モジュールでは
コントローラIC内のフレームバッファ用RAM容量の節約のために本来必要な量の
半分に削られているHalf-RAMモデルのコントローラICが存在します。

大きい解像度だとマイコンとの接続もSPIとかFSMC等のi8080スタイルのMCUバスに
よる接続よりもRGBインターフェースで繋げたほうが効率が良くなるため、少し
でもコストを下げるためにこのような品種が存在しているかとおもわれます。

ちなみにHalf-RAMモデルのコントローラは偶数アドレスしか指定できず、奇数
アドレスを指定しても無効になるので意図した座標にドットを上手く打つことが
出来ず表示がぼろぼろに崩れます(偶数アドレスだけを指定する使いかたならOk)。

ですから私にとっては私のいつものとはものすごく相性が悪く、単なる地雷に
ほかなりませんのでHalf-RAMモデルのコントローラICが乗ったTFT-LCDの購入は
極力避けております。
以下に私がうっかり購入してウボァーした品種を列挙します。

D51E5TA7601
->これは320x480のHVGAなTFT-LCDで中華通販で良く見かけるのでご注意ください。
OTM8012A
->これはWVGAなTFT-LCDコントローラではポピュラーなOTM8009AのHalf-RAM版
 です。OTM8009Aとくらべてあまり遭遇しないので多分大丈夫でしょう。
ILI9806H
ー>これは前出のILI9806Gとものすごく間違えやすいですからご注意ください!
 これも中華通販で良く出回っています。うっかり買ってしまうとアウツです!


話を戻しましょう。動かし方は初期化の呪文を唱えた後は有名なILI9341たちと同じ
ようにMIPI DisplayCommandSetに倣って0x2A,0x2Bでレクタングルを指定したら
0x2Cでデータを送信するというお決まりのパターンです。

そしてこのモジュールではIMxが外に出ていてデータビット幅とかも変更可能です。
ここまで解像度でかくなるとSTM32F4のFSMCでもきついはずなのでなるべく
デフォルトの16bit幅で使うようにしましょ。



もはや説明不要のFatFsとSDカードの動作試験も兼ねたいつもの



480x854もの広大なサイズなのでいないさんの表示もらくらくです。
前回と比べて54ドット分ちょっと足先が長めに見えているのが分かると思います。
これだけでかい画面を十分に光らせるためバックライト用のLEDの電力消費が著しく、
モジュール全体で常に100mA以上喰うので3.3Vの電源供給は十分に行ってください。


さらに液晶自身の発色もかなり良くなっていてご覧のとおりいないさんの美しい
肌が青映りせず鮮やかに表示されています♥
有機ELとはなんだったのか…




液晶そのものの話はこの辺にしてお次はタッチパネル部分のお話です。
このモジュールは抵抗膜式タッチパネルと容量性タッチパネルの両方が選べます。
もちろんねむいさんは容量製タッチパネルのモデルを購入しましたが前回の物とは
かなり勝手が違い苦戦しました。このモジュールに使用されているCTPコントローラ
ICはFocaltech社のFT5336GQQという相互容量方式の品種です。

そう、こいつはSTM32F746G-Discoveryに乗っていた奴と同じなのです!あのときは
STマイクロ提供のBSPに頼りっぱなしでした。尤も前回でSPLでI2C接続のCTPコント
ローラを叩くためのルーチンをこさえて居たのでこれも問題ないだろうと思って
いたらなんと画面に触った時だけ変化があるINT出力の挙動がまったく違っていて
入力がまったく受け付けられていない状態となっていやがりました。


↑画面をタッチした時のINT出力波形(前回モジュール)

↑画面をタッチした時のINT出力波形(今回モジュール)

しかも今回のは内部でIOVDDが1.8Vにされているのか1.8Vしか出ていません!
(ていうか3.3Vでプルアップしてるのに1.8Vとか出力ODじゃ無いのかYO!)

一応STM32の+3.3V動作時のハイレベルのスレッショルドは切っているので電位の
問題ではなく処理の問題だと判断し、100mSec単位のポーリングで行っていたINT
の処理を割り込みに変えたりあーだこーだやっていましたが思ったように
座標データをとることがなんでか出来ませんでした。

結局100mSec単位のポーリングでSTM32の外部割込みのフラグを見てデータを取り
込むことで従来どおりの操作感覚を取り戻すことが出来ました。
EXTIだけ有効にしてNVICの設定は行わず割り込みベクタそのものに飛ばさないのが
ミソです。毎回割り込み処理に飛ばしているとタッチパネルに触ってる間ずっと
割り込みが発生することになり他の処理がまったく出来なくなっちゃいますので。
ねむいさんのいつもののtouch_if_basis.cやtouch_if.cを見ていただいたら私の
あがきの跡が分かるかと思います。

あとねむいさんが想定したY軸の座標が上下さかさまだったのでこれも前回
モジュールにあわせるようにしています。もしかして気付いてた方もいたかと
思いますが6月の終りにはすでにコードに仕込んでおりました。

ちなみにFT5336GQQのデバイスIDは0x51だそうです。


5inchは良い。心が洗われるね。

こんなわけで6月の終りくらいに購入したモジュールをいまさら紹介するハメに
なってしまいましたがSTM32のFSMCで賄うことが出来る中では実寸や解像度的に
今度こそ!
これが最強最後のTFT-LCDモジュールである!と言う事が出来ると思います!!
たぶん来年あたりも同じこと言ってるかも知れませんがー!

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