PCベースUSBオシロスコープPicoScope5444Dを使う

●誰が豚に真珠や
今からさかのぼること10年前、超円高時代に有利な価格で売られていたPicotech製の
USBオシロPicoscope3206Aを秋月さんより購入し、自作環境の測定器として使ってきました。

そして2021年、満を持して機能を強化した上位モデルの購入に踏み切りました!!




そして我が家にやってきたPicoscope5444D!
アナログ帯域は個人では十分な200MHzで4CH使えてサンプリングもMAX1GS/Sec、
且つMSO(ミックスドシグナルオシロ)と呼ばれるちょっとしたロジックアナライザポートも
備えています!1!111!!

さらに下位モデル3000シリーズの差別化として5000シリーズではFlexResと言って
ハードウエアでサンプリングビット数を最大16bitまで可変が可能です!!!!


2011年のころは4CHオシロとか200MHzで1GS/Secとか100万越えの奴しかまともなの
なかったはずですが現在では選択肢も増えて価格も大幅に下がりねむいさんの資金力
でも十分に手が届く価格となってきたので購入に至った経緯があります。

最初は送料込みの総額が一番安いAmazonで買おうかと思ってたのですが納期が未定に
なってしまったためヤマト科学という計器卸売の商社さんから買いました。
お値段は税込み送料込みで301000円でした。アマゾンも2000円ちょっとしか変わり
ませんけどねなんというか消費税だけで3万近くもするってめっちゃやばいですね
ああそうだ10年前はまだ消費税5%時代だったからていうかもう10年もたってるじゃんか
あああああああaAあああああああぁああああ!!!11!!!1111!


ゲフンゲフフン失礼しました。なお、Picoscopeは英国製のため、ポンド/米ドルと米ドル/円
の為替レートにより日本円で買える値段が大幅に変わりますのでご注意ください。

20220416追:
今悪性の円安が加速しまくってて37万円以上になってる!11!!1!!1!!!!!
黒ちゃんはやく円安何とかしてくだち!!!111!!11!!!





●とりあえず使ってみようぜ
とはいえ以前の3206Aと操作感覚は変わりません。オシロを操作するためのPCソフトは
数万の格安モデルから100万越えの最高性能モデルに至るまで同一のものが使用できます。


4CH全部使用したところです。
3206Aと比べてCHが4つに増えた以外は違いはありませんね★


なお、ねむいさんが買った4CHモデルは外部電源を接続しないと2CHまでしか使えません。
(MSOポートもMAX2CH分扱い、計6CH分となる)


●Picoscopeの真骨頂プロトコルアナライザ機能を使う
まぁこれも3206Aで紹介してますが改めて。
Picoscopeのソフトは2012年あたりにロジアナのお株を奪うシリアル信号のプロトコル
アナライザの機能が搭載されています。


まずはI2Cバスでやってみましょう。
画像のシリアルデコードの項目を選びます。


オシロのA(CH1)とB(CH2)をSDA,SCLに割り当てました。


I2C信号のやり取りは拙作のSTM32F030-NucleoのI2C液晶とSTTS751の温度表示プログラム
を実行したところです。

CSVファイルに出力して後から解析も可能です。
STTS751の温度データを取得しているところがよく分かると思います。



このプロトコル解析はロジアナポート(MSOポート)でも当然のように使用可能です。
ていうかこのMSOポートはこういう用途に積極的に使うべきですね。


MSOでトリガかけるときは設定方法にちょっとコツがいります。
いちいち設定するのは忘れがちで骨が折れます。


一度こういう特的目的の信号の測定を設定したらファイル->保存で設定ファイルを
保存しそのファイルをダブルクリックで起動すると再び同じ設定で測定が可能です。

このプロトコルアナライザの機能、実はかなり使えます。最初はUARTとI2Cくらいしか
なかったのですが、現在はFlexRayやUSB1.1(FULLSPEEDまで)、SPIも解析可能となり
非常に強力なツールとなりました。ちょっとしたシリアル信号の解析ならロジアナを
引っ張り出す必要もなくなりました。




そんなわけでねむいさんが学生時分の頃はまさに"高値"の花で全く手が出なかった
オシロスコープは現在では実務にもバリバリ使えるレベルで個人でも手が届くような
値段で手に入るようになりました。

据え置き型との対比としては"PCがないと使えない"という最大の弱点がありますが
もはやPCは一家に数台な時代ですしテクトロの1000万クラスの据え置きオシロも
中身はWindowsOSで動いてるまさに一体型のパソコンオシロみたいなもんですので
個々の環境や測定対象に合わせて使いやすいものを選択してくのがよいでしょう。

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