東海自然歩道を徃く14(明智〜伊勢神/伊勢神〜田口)

私は現在、奥三河と呼ばれる交通の便がかなり悪い地域を目指しています。
なんというか現地への移動時間>>>>行動時間になっちゃってますが、分刻みの
行動スケジュールで動き、少しのルートミスが命取りになるこの辺りのルートは
な意味でスリルがあります。
ねむいさんは知恵と体力と財力でかろうじて切り抜け
ていきました!


●2012.01.28 明智〜伊勢神

いきなりスタートで躓きましたorzなんと中央線の到着が遅れ、瑞浪駅で明智駅行
きのバスに乗り過ごすことに!!…私は帰りの伊勢神峠で最終バスを乗り過ごした
ときの最終手段でタクシーで帰還するつもりにとっておいたトラの子タクシー代
1万円をここで切った!

…タクシーの運ちゃんの運転がWild過ぎてアドレナリンが異常分泌した状態で
アップの必要なくスタートぉ!エントリポイントの八王子神社境内を通過します!


明智光秀や遠山の金さん?の墓があるらしい龍護寺です

大正浪漫館です。この建物の右側を通過します


千畳敷公園からの展望です

♪FULL FORCE 誰よりも速く 明日を見に行けば
 自分の足跡だけが 残されて行くのさ
 
…「」にいつも叩かれてたけどねむいさん仮面ライダーカブト好きなんですよぅ…

ここは間違えやすい有名な分岐です!写真の通りに進みましょう



颪と呼ばれる場所まで下りてきました。しばらく川沿いの車道を走ります



???



串原太平を過ぎて黄梅院に立ち寄りました

柿畑を越えて行きます。電流柵も越える!

三本松休憩所でトイレ休憩を

oh...




閑羅瀬橋を越えると川原越以来長らく続いた岐阜ステージともようやくお別れです


矢作ダムを遠くに望みながら愛知ステージを進みますが‥クマの足跡?



クマに出くわすことなく旭高原少年の家を過ぎ旭高原元気村に到着です。
少年の家を越えたところでオリエンテーリングコースに入ってしまい
時間を喰ってしまいました


長井坂峠を一気に駆け下りた後千人塚と弘法杉がある猿が城登山口に。
再びだんだんと雪深くなってきました!




崩れそうな木階段を登り猿が城跡のある頂上に。今は鉄塔が立っています。

その後は縦走を繰り返し、林道に到達します。
ここから林道の登りです…

林道のピークを越えて一気に駆け下ります!!アイスバーン盛りだくさんの
かなりヤバい道でしたが、ねむいさん人間ができてるから私のぶろぐ見て
くれてる受験生のために滑ったりこけたり落ちたりしませんでしたよぅ!!


一気に駆け下りたあとさらに昔の峠道を登って八百比丘尼の杉と伊勢神峠に!
あと少しで今日のゴールです!



伊勢神遥拝所です。ここが次回のエントリポイントとなります

時間が少し余ったので旧伊勢神トンネル(伊世賀美隧道)に立ち寄りました…狭い
20121107追:
たまに質問もらいますが、"旧々伊勢神トンネル"なんてものは存在しません。
まず伊勢神峠・伊勢神遥拝所が最高点に位置しており、時代によって
伊勢神峠(中馬街道(飯田街道,塩の道とも))
-> 旧伊勢神トンネル(旧国道153号線/伊世賀美隧道が正式名称)
-> 伊勢神トンネル(現国道153号線)と
幹線道路が変遷しているので旧伊勢神トンネルより高い位置にトンネルは掘れません。
完全にガセネタです。



20131222追:
以前はガセネタと切り捨ててしまいましたがなななんと!あと10年くらい待つと
新伊勢神トンネルがさらに新しくできるらしいので
それに伴って現在の
旧伊勢神トンネル(伊世賀美隧道)が自動的に旧々伊勢神トンネルになります!
おめでとう!





アイスバーンだらけの舗装路をかわしつつ駆け下り、今日のゴールである
伊勢神ドライブインに到着予定時刻より1時間早く到着です!とよたおい
でんバスもちょうどいいタイミングで来ました


2012年現在はパス一発で東岡崎に行ける路線が存在しないため足助でバスを乗
り継いで東岡崎へと帰還しました…うう冷える


●2012.02.11 伊勢神〜田口



新幹線乗ってる時間よりバスの移動時間の方が長いです…おしりが早くも痛いです‥


や、やっと伊勢神ドライブインに着いた…
今回はゴールの田口のバス停の発車時刻が18:14でかなり時間が余るため後述しますが
寄り道プランを立てています。11:00の出発となりますが綿密な事前リサーチのおかげ
でこれでも十分間に合うわけです。



前回のおさらい、伊勢神峠と伊勢神遥拝所に。
今日はここから寧比曽岳を越えて田口まで向かいます。


閉鎖されたいこいの森がある伊勢神湿原を越えていきます。
雪だらけでよく分かりません‥。

大多賀峠に。ここからは登りの一方となります。


有名な亀の甲石も雪に埋まっています。



頂上に向かうにつれて樹木が雪の華を身にまとっていってます


パウダースノーの作りだす幻想的な景色にみちびかれ頂上に――――



っ着いた〜!寧比曽岳頂上!
ここが東海自然歩道恵那ルートと本線ルートの分岐点となります。
都合上私は再びここを訪れることになります。


ゆっくり休憩をとった後田口を目指して駆け下ります!
富士見峠には有名な"あと***キロ"の道標が。




段戸裏谷を駆け下り人造湖段戸湖へ。


段戸湖は凍結していました。ほとりの休憩所には東海自然歩道の
解説板が多数あります。


きららの里の端の道路を登り、今回のルートの要所である田口森林鉄道本谷線跡の
トレイルに突入します!

しばらくの間は野生動物の足跡の案内を‥実はまだこの地点ではまだ森林軌道跡
と少し外れています。


凍結した超危険な木橋がお出迎え…この後何度も苦しめられます…
そしていつの間にか森林軌道跡をトレースするルートに。


脅しではなくマジでめちゃくちゃ滑ります…
ちなみに滑って転ぶとそのまま谷底にまっさかさまです。
ねむいさんはぶろぐ見てくれてる受験生のために(ry

気づくと沢(寒狭川)が並走しています。
浮石だらけでなかなか走れなかったトレイルも坂がゆるくなり
だんだん走りやすくなってきました!

これは森林軌道の遺構、橋脚です…



田口に近づくにつれ駆け下りるスピードを上げていきます。
この辺りは有名な森林軌道の切りとおしが見えます。

と思ったらまた木階段…ここは元は森林軌道の木製の橋脚がありましたが…





木製の橋脚は星霜によりすでにすべて崩れ落ちていました。
崩れ落ちがれきとなった木にうちこまれたボルトが当時の存在の
証明をしています…


森林軌道の解説のある個所まで来ました。
ここからさらにスピードを加速して駆け下りていきます!!



大名倉辺りで森林軌道跡とは分かれ、松戸橋目指してアスファルトの
舗装を川幅が大きくなった寒狭川を横目に駆け下りていきます。

ここ全面凍結しててスパイクはいてても超ヤバかったです(汗
でもねむいさんは受験生の(ry


エメラルドグリーンの水をたたえる寒狭川に掛る松戸橋を越えます。
さて、この橋を越えると奥に見える道標を越えてゴールの田口に行くのですが…

私はここで寄り道して廃鉄な方には超有名な豊橋鉄道三河田口駅の今の姿を見に行きました。
去年の夏、大雨により駅舎はとうとう斃れてしまったとのことですが…
2012年2月現在、すでに路面にはみ出た屋根は取り壊され"曝葬"された状態でした。


後で気付きましたが、駅舎の残骸の一部は少し離れた空き地に移し替えられていた
ようです。しかしこの状態になってしまうと自然に還るのも加速度的に早くなって
しまいますね。
ここにかつて電車が通り、三河田口駅があったという事実はこの看板だけが唯一の
証人となるでしょう…と言いたいところですが後数年後には設楽ダムの建設によっ
てこの辺り一帯は水の底となり、最早誰も近づけない場所となってしまいます…。
東海自然歩道も当然付け替えとなり私ももう二度とこの地を踏むこともないでしょう。
さよなら、三河田口駅。
(※:これらほかにも写真・動画もいくつか撮っていますので、資料としてご入用の
   方はどしどしご連絡ください)


おまけですが少し戻ったここにも遺構があります。
通路橋の下に森林軌道の橋脚があるのがわかりますね

さて松戸橋に戻り最後の登りの山道を越えて今度こそ田口の町へと向かいます。



武田信玄の墓があるらしい福田寺です。次回のエントリポイントはこの地点
となり今回はここで東海自然歩道から離脱します。


お約束ですが市街地で迷ってしまいました…
スパーという店を探してたのですがすでに潰れて別の店になってたようですorz
そして30分近くロスして田口バス停に到着です。


着替えを済ませてるうちに日が暮れてしまったようです。
バス(最終便)が来るまでまだ時間がありますが、待合室も閉鎖されおん出されて
しまい一気に底冷えてきた田口バス停の袂でバスを待ちます…ぇっくし!


バスに揺られてJR飯田線本長篠駅まで45分…電車を待つ間本長篠駅のホームで
空を見上げると明かりもなく空気がきれいなのか満天の星がみえました。
京都の市街じゃなかなか見れないです。そして見とれてるうちに列車もやって
きました。ここからさらに飯田線に揺られて豊橋、んでもってこだまで
京都に…ぁー(移動が)疲れた…




今回は恵那ルートの終盤と奥三河の"さわり"の部分に入ったわけですが、定光寺
止まりでうっちゃっていた本線ルートをこれから攻略して再び伊勢神峠を目指し
ます。今期のラストは東海自然歩道3大難所の一つ、奥三河縦走で締めくくること
になるでしょう。

明智〜伊勢神 GPSログ

伊勢神〜田口 GPSログ

いろいろ試す11

●STM32L-Discovery
少し前に秋月さんからSTM32L-Discoveryが販売されましたが、遅ればせながら私も
入手しました!


これでDiscovery系のボードもほとんど手に入れましたね。

さて、いつもなら即座にVersaloonに改造するのですが、2012年に入ってからOpenOCD
の0.6.0系のサポートにSTLink・STLink/V2が加わっています。
しかもSWD対応です!
去年まではSWDでCorex-Mx系のマイコンに書き込みデバッグするまでがかなりしんどい
方法しかなく(一度コツつかんだら後はスクリプト組んじゃえば楽勝なんですが…)、
皆さん華麗にスルーされてきましたがメーカーやサードパーティの有償のツールを使う
ことなく使い慣れたOpenOCDを利用できるようになりました。



↑STM32L-Discovery(STM32L152RBT6)にOpenOCDで書き込みしてるとこです。
 書き込み用のスクリプトはいつもの場所に最新の物をまとめてあります。現在動作確認
 してるのは今回のSTM32L-DiscoveryとSTM32F4-Discoveryです。
 STLinkやVersaloon(SWD接続)対応のOpenOCDはこちらに。

↑デバッグも自由自在です♥OpenOCDはSTLinkのAPIを呼びだすことで通信を
 成立させているようです。MLを追っていくと対応に当たってOpenOCDのdevの人たち
 の苦心の様子がうかがわれます。

2013年現在はOpenOCDからSTLink/v2を動かすドライバとして、STマイクロ提供の
純正ドライバが利用できます
(といっても中身はWinUSBですが)。


●ほっぽらかしていたBeagleBoard達
去年争奪戦に勝利したにもかかわらず購入した時点で満足して箱に納めてしまってい
たねむいさんですが、aitendoさんの液晶キットを購入したことを皮切りに少しずつ
手をつけ始めています。


↑せっかく奮発してHDMIケーブル買ったのに一旦DVIコネクタ咬ませて変換しとかない
 とこの構成だとまともに写らんなんて考慮しとらんよ…orz
 副業先のPCのでかくて新しいモニタ使わせてもらいますか…無駄に2980円がががg
 ぁーでもS端子使うって手もありますね。


↑去年末にBeagleBoneなるさらに機能を絞ったBeagleBoardの仲間が誕生しました!
 今流行りのクラウド環境を意識したモノになっていてArduinoからの置き換えを狙った
 プロトタイピングに特化した作りとなっているようです。
 こちらの導入記は現在まとめていますのでまた次の機会に詳しく述べたいと思います。



●モノクロドットマトリクスSTN液晶

皆さんは去年さらっと紹介した2.5元I2C液晶を覚えているでしょうか?
あの後詳細が判明した途端に5元に跳ね上がりやがりましたが、ねむいさんは
基本的な動作確認を終えシンプルi2cライブラリに加えようと画策していました。

しかし、Nokia5110に代表されるドットマトリクス方式のモノクロ液晶は動かし方が
ほとんど同じことが分かったので、私がTFTでやってるのと同様に汎用のドットマトリ
クスモノクロSTN液晶向けのライブラリを現在作っています。aitendoさんで購入で
きる一部のOLEDも同じ動作方法の物があり、こちらに組み込んでます。

こちらもまとまり次第別記事で詳しくお伝えします。Nokia5110以外のマイナーな
モジュールに関する動作方法のテクニックも同時にお伝えしますね。


↑てわけで自作ライブラリで別の5元のOLEDを駆動。
 …これ焼きつき激しすぎです!



●一個忘れてました
STM32系のOpenOCDのフラッシュ書き込みルーチンで現在テスト段階なのですが、
asynchronous algorithmと言うものに換えると書き込み速度がアップするそうです。

20120226追:
公式のコミットにも来たわよ



実際にこのパッチを取りこんで試してみました。
デバッガハードウエアはJtagkey2を使ってますが、ボトルネックがフラッシュ
書き込みにあるのでSWD接続のVersaloonでも変わりません。
*Normal

> "C:¥Devz¥AVR¥WinAVR¥utils¥bin¥make.exe" program
openocd -s C:/Devz/ARM/OCD/tcl -f interface/jtagkey2.cfg -f target/stm32f4x_flash.cfg -c "mt_flash main.elf"
Open On-Chip Debugger 0.6.0-dev-00415-g338f5a1-dirty (2012-02-16-10:16)
Licensed under GNU GPL v2
For bug reports, read
http://openocd.sourceforge.net/doc/doxygen/bugs.html
Info : only one transport option; autoselect 'jtag'
1000 kHz
DEPRECATED! use 'adapter_nsrst_delay' not 'jtag_nsrst_delay'
adapter_nsrst_delay: 100
jtag_ntrst_delay: 100
cortex_m3 reset_config sysresetreq
3750 kHz
verify Capture-IR is disabled
Info : device: 6 "2232H"
Info : deviceID: 67358712
Info : SerialNumber: 22222222A
Info : Description: Amontec JTAGkey-2 A
Info : max TCK change to: 30000 kHz
Info : clock speed 3750 kHz
Info : JTAG tap: stm32f4x.cpu tap/device found: 0x4ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x4)
Info : JTAG tap: stm32f4x.bs tap/device found: 0x06413041 (mfg: 0x020, part: 0x6413, ver: 0x0)
Info : stm32f4x.cpu: hardware has 6 breakpoints, 4 watchpoints
Info : JTAG tap: stm32f4x.cpu tap/device found: 0x4ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x4)
Info : JTAG tap: stm32f4x.bs tap/device found: 0x06413041 (mfg: 0x020, part: 0x6413, ver: 0x0)
target state: halted
target halted due to debug-request, current mode: Thread
xPSR: 0x01000000 pc: 0x08031280 msp: 0x10010000
auto erase enabled
Info : stm32f4x errata detected - fixing incorrect MCU_IDCODE
Info : device id = 0x10006413
Info : flash size = 1024kbytes
wrote 524288 bytes from file main.elf in 19.750000s (25.924 KiB/s)
verified 454868 bytes in 4.062500s (109.343 KiB/s)
Info : JTAG tap: stm32f4x.cpu tap/device found: 0x4ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x4)
Info : JTAG tap: stm32f4x.bs tap/device found: 0x06413041 (mfg: 0x020, part: 0x6413, ver: 0x0)
shutdown command invoked


*asynchronous algorithm
> "C:¥Devz¥AVR¥WinAVR¥utils¥bin¥make.exe" program
openocd -s C:/Devz/ARM/OCD/tcl -f interface/jtagkey2.cfg -f target/stm32f4x_flash.cfg -c "mt_flash main.elf"
Open On-Chip Debugger 0.6.0-dev-00423-gd8b9127-dirty (2012-02-17-21:45)
Licensed under GNU GPL v2
For bug reports, read
http://openocd.sourceforge.net/doc/doxygen/bugs.html
Info : only one transport option; autoselect 'jtag'
1000 kHz
DEPRECATED! use 'adapter_nsrst_delay' not 'jtag_nsrst_delay'
adapter_nsrst_delay: 100
jtag_ntrst_delay: 100
cortex_m3 reset_config sysresetreq
3750 kHz
verify Capture-IR is disabled
Info : device: 6 "2232H"
Info : deviceID: 67358712
Info : SerialNumber: 22222222A
Info : Description: Amontec JTAGkey-2 A
Info : max TCK change to: 30000 kHz
Info : clock speed 3750 kHz
Info : JTAG tap: stm32f4x.cpu tap/device found: 0x4ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x4)
Info : JTAG tap: stm32f4x.bs tap/device found: 0x06413041 (mfg: 0x020, part: 0x6413, ver: 0x0)
Info : stm32f4x.cpu: hardware has 6 breakpoints, 4 watchpoints
Info : JTAG tap: stm32f4x.cpu tap/device found: 0x4ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x4)
Info : JTAG tap: stm32f4x.bs tap/device found: 0x06413041 (mfg: 0x020, part: 0x6413, ver: 0x0)
target state: halted
target halted due to debug-request, current mode: Thread
xPSR: 0x01000000 pc: 0x08031440 msp: 0x10010000
auto erase enabled
Info : stm32f4x errata detected - fixing incorrect MCU_IDCODE
Info : device id = 0x10006413
Info : flash size = 1024kbytes
wrote 524288 bytes from file main.elf in 12.968750s (39.480 KiB/s)
verified 454868 bytes in 4.015625s (110.620 KiB/s)
Info : JTAG tap: stm32f4x.cpu tap/device found: 0x4ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x4)
Info : JTAG tap: stm32f4x.bs tap/device found: 0x06413041 (mfg: 0x020, part: 0x6413, ver: 0x0)
shutdown command invoked



…てわけで25.924 KiB/sから39.480 KiB/sへの大幅アップです!なにこれすごい。
現時点で書き込み速度がRTCK使っても10KiB/s代しか出ないLPC1769系のフラッシュ
にも対応してほしいですね♥

GPSを試用する6

20230816追:
最強のGNSSモジュールSAM-M10Qをゲットせよ!
20230816追:




今年に入ってからGARMIN社のGPSレシーバーについにQZSS/GLONASS対応の機種が
出てきました!みちびき(QZSS)ではGPS補完信号のみ対応とのことですが、頭上にGPS
衛星がひとつ増えるというのは心強いことだと思います。
ねむいさんもがーみんほしい…

さて、去年11月下旬以来私の方もみちびき対応のGPSモジュールPA6CをSTM32Primer2
を使ったGPSロガーの心臓部として使用しています。そして厳しい環境で功徳の実証を
重ねて市販品ロガーよりダンチな性能が出るのを確認してきました。そして私のぶろぐを
見て購入される方も沢山いらっしゃるようなので、使用に当たってのTips等を今一度
お伝えしたいと思います。UP-501等他モジュールを使用されている方も一般的な部分が
多いと思うので参考にしてください!
※PC上ソフトウエアはWindowsXP/64bit版Win7の使用を想定しています。


●PA6Cにメイン電源(VCC)を供給する
一見簡単そうに見えてまともに動かそうとなると非常に難しいです。
ブレッドボード上でプロトタイピング的なつなぐだけな使い方をすると
全く性能が生かせません。
GPSモジュールはGHz帯のレシーバーでもあるのでノイズ対策を十分考慮
した電源周りの構築をしなければなりません。

Gtop社が提供しているPA6Cのデータシートには推奨動作条件としてVCCの
リップル許容値や高周波ノイズを食い止める電源ラインのフィルタ回路例
などがわかり易く提示されていますのでこれを参考にユニットを作成すると
よいでしょう。
UP-501やPA6Cは単体の消費電流が低いのでまだ影響は少ないのですがGT-723F
等を使用しているときは初回補足時に80mA程間欠的に消費されます。
このときVCC,GND周りの配線がAWG26番以下の細い電線で15cm以上長く引き伸ばす
ような貧弱な配線を行っていると自分でノイズをまき散らして受信を阻害し、
10分近く待っても補足できないなんてことになります。
ハードウエアにあまり詳しくない人が引っ掛かりやすい点です。

GPSモジュールを使用するシステムの基板上に実装して一体となるのが一番
ノイズを抑えられる手法ですが、後付けの場合でどうしてもというときは
太く・短く・モジュールのVCC直前にデカップリング&フィルタ回路を置くように
しましょう。


↑私もこんな風に差し替え可能なようにユニット化しています。
 メッシュアース基板や1005サイズのSMD受動部品を利用して少面積で作り、
 引き出す電源線はAWG22番線を使用しています。こちらも参考に。


また、世代が進むにつれて使用できるVCCの電圧上限も下がってきています。
UP-501やPA6Cはリチウムイオン/リチウムポリマー2次電池が使用されたモバイル
機器上で動かすことを想定されているため上限が+4.2Vとなっています。
うっかり+5V系のシステムで使わないように気を付けましょう。特にAVRマイコン等
+5Vで動くマイコンで絶対にUARTのTxを直接しないようにしてください。
モジュールが異常発熱したり最悪即死します。


●PA6Cにバックアップ電源(VBAT)を供給する

なぜか見落とされがちな箇所ですがこれも超重要なファクターです。
PA6C・UP501にVbat端子が存在し、常に電源を供給し続けることによりアルマ
ナック・エフェメリスといったGPS補足追跡のためのデータやボーレートや
インターバルなどモジュールの基本動作にかかわる設定を保持し続けます。
解放していてもモジュールとしては動作しますがこの状態だといったんVCCを
切ると設定が全部失われ始めから補足し直し・設定し直しとなってしまいます。
特に単体動作の時はいったんVCCが落ちると何もできなくなってしまうので
VBATは常に電源を供給するようにしておきましょう。


一般的にuAオーダーの消費電流なのでVCCとは独立したコイン電池等でバック
アップしておくとよいでしょう。リポバッテリーなどを使用してるモバイル機器の
場合は電池の出力からじかに1kohm程度の抵抗を直列に介してVbatに繋げ、コイン
電池の代わりにする方法もアリです(私の自作GPSロガーでやってる方法です)。


●PA6Cと通信する

UP-501やPA6C等の新世代のモジュールはモバイル機器に組み込まれるような
使い方を想定されているため、I/OのレベルがLVTTLのみとなっています。
GT-723FはRS232Cの電圧レベルも出てますがその分中でチャージポンプが動いて
るので電流消費がでかいというわけです。ちなみに+5Vトレラントではないので
+5V系のシステムとじかに繋ぐとモジュール内部の入出力バッファが破壊されて
即死します。横着せずにLVTTLの電圧レベルを守りましょう。

また通信のプロトコルは一般的な8bit,ノンパリティ・1ストップビットのUARTで
ボーレートは9600bpsがデフォルト(GT-723G,UP-501も同じ)です。
GPSモジュールから垂れ流しの信号(TxD)のみでシステムを完結させるなら受信側は
RxDだけでも構いません。
ただ、後述するAGPS等の強力な機能を使用するために相互に送受信できるように
しておきましょう。


●PA6Cを設定する

Windows機を使用している方はGlobalTop社よりPA6Cの各種設定を行うとこができる
サポートツールが用意されています。Linux系な方orマイコン制御な方たちはAT
コマンド表片手にコマンドを送ってやれば同じことができます。


↑PA6C設定ツール"MT3339 PC Tool"の操作画面です。

基本的な衛星ID表示画面やPA6C(の中のMT3339)が持つ機能を設定できる項目が
あります。単体でのインターバル補足動作や超低消費電流スタンバイモードへの
移行も可能です。スタンバイモードの移行動作はたとえばガイガーカウンタと連動
してマイコン制御のモバイル記録装置で動作させるような時に有効です。



↑AGPSの設定画面です。

AGPS(AssystedGPS)とはGPSモジュールもしくはチップに内蔵された専用の
フラッシュメモリにアルマナックデータをあらかじめ書き込んで置くことに
よって電源投入直後の初回補足時間の短縮を図る機能で、悪天候・障害物遮蔽が
多い環境で効果を発揮します。なぜかこの機能を活用されていない人が多いの
ですが、ぜひとも活用しましょう!

AGPSはPA6C(14日保持)の他にGT-723F(7日保持),UP-501(14日保持)も利用
できますが、GPSモジュール内部のチップメーカーの違いで設定をするための
ツールも当然違いますのでご注意ください。
GT-723F(Venus6)の場合はGPSViewer、UP-501(MTK3329)の場合はFastraxGPSWorkBench
…はちょっと微妙なのでTransSystemsのGPSViewや有志が作ったフリーのツール
BT747、はたまた上で紹介したPA6C用"MT3339 PC Tool"でもAGPSのみですが
設定可能です。


●PA6Cを"使"ってみる

ここで述べる"使う"は単なる卓上実験ではなく各システム内にGPSモジュールを組み
込んで実際のフィールド上で"使う"という意味合いです。

ねむいさんの使用例はプロトタイピングツール(←強調)であるSTM32 Primer2と組み
合わせてGPSロガーとして使用しています。こちらは以前から何度か紹介してきまし
たが、USB-MSC(USBマスストレージ)機能に加えてUSB-CDC(USB仮想COM)機能も新たに
取り入れさらに使い勝手を上げることに成功しました。


↑各機能は電源投入直後のキー操作で分かれます。
 投入直後何もしなければSTM32のクロックも24MHzまで落とし低消費電流で
 GPSロガーモードに。
 

↑投入直後1Sec以内に左キーを押した状態を3Sec保つと、USB仮想COMモードに
なり、ホストPCとGPSモジュール間で直接データのやり取りができます。これ
 はAGPS用のデータのダウンロードやGPSモジュールの各種設定等で別に通信
 手段を用意する手間が省けて非常に便利です!


↑投入直後1Sec以内に右キーを押した状態を3Sec保つと、USBマスストレージ
 モードになりmicroSDカードに記録されたGPSのNMEAデータをPC上からファイル
 単位で簡単に取り出せられます。

MSC/CDCバルク転送のエンドポイントはもちろんダブルバッファを構成しています。
が、おかげで複合デバイスのやり方がどうしてもうまくいかなくなって電源投入時
のキー入力で機能選択する方式に落ち着きました。たぶんソース見たら分かる人は
分かると思いますが分離できなかったディスクリプタのWrapperを全部こしらえて
機能選択時に全部の関数のポインタを割り当てる(で表現正しいのかしら???)
というかなり見苦しいことをやっています。



↑外気温−2℃の猿が城跡にて…。
 STM32 Primer2ちゃんは生まれつき心臓(電源回路)が弱くシウツをしないと
 電源のON/OFFだけで電源回路中のDC-DCが死んじゃう子でしたが、ねむいさんに
 よるLDOへの無理やりなリプレース・大容量リポ電池にリプレース等の魔改造を
 施されまくり、約2年後には極寒/灼熱の環境にもびくともせずGM-316,GT-723F,
 UP-501,PA6CとメインのGPSモジュールを変遷させつつねむいさんの足跡を
 ロギングし続けるたふすぎてそんはないSTM32Primer2ちゃんが!!
 
 …それなんか違うだろって突っ込み入れられそうですがこんだけバリバリ厳しい
 環境で使いまくってますからもう十分元は取れたと実感していますが東海自然
 歩道はまだ1/3も進んでないのdおいこらにげるなせっかくだから見て行きなさい♥










おまけ
GPSモジュールUP-501(MARY-GB基板にも使用されてます)を使用
してる人でモジュールのファームがAXN1.30の人は……
検索エンジンで"150M-ITX.1139.bin"って呪文唱えるといいこと
あるかもしれませんよぅ

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