STM32F107にFreeRTOS乗っけてEthernet-PHYを動かすっッ!
前回からやるやる言ってたSTM32F107でFreeRTOS動かしてEthernet-PHY動かすと言っ
てた件ですが、デモコードのRowley用のサンプルを参考にあれやこれややってLPC2388
で達成していたことと同じことができるよう目指しました。
移植の際に気になったのですが、もとのRowleyのデモので使用されているビルドの定義
が本来ならばConnectivity Line(以下CL)でなければならないのに何でかMedium-device
(以下MD)になってて何でこんな意味のない事やってるんだろうか?と思って自分はCLで
makefile組んでビルドしたら見事に爆死。
よくよく調べてみるとスタート時のクロック設定のルーチンでCLの定義された部分を実
行するとOSが走りだしてから数秒後に必ず止まることが分かり、仕方ないのでこの部分
だけをMDで定義されたルーチンをマージしてなおかつメインクロック・周辺回路に矛盾
が出ないようにして難を逃れてます。
また、Ethernet-PHYの接続はLPC2388の時と同じRMII接続にて試みています。手本の
STM3210-C EVALのデフォルト回路はMII接続なのでemacのコードはRMIIに書き換える
必要がありました(と言っても書き換えるの一行だけでしたが)。それとOLEDは同じもの
を持ってないのでいつも使ってるi2c液晶さんに代役をしてもらってます。後はデータ
シート&マニュアルを地図代わりに一本道。そんなこんなでFreeRTOS上でWebServer
とかi2c液晶にステータスとかの表示ができるところまでたどり着きました。
↑FreeRTOSを本格的に動かすためにベース基板新調しました。Ethernet-PHYの基板
はLPC2388の時の使い回し。
↑WebServerが動作しているところ。
OpenOCD+Insightのデバッグで動きをおっかけてくと
FreeRTOS上でどうやって桶屋が儲かってるかが分かって面白いです。
人それぞれの所感があるでしょうけども私的にはやはり自分で設計したとおり&意図した
とおりに動作が得られてニヤリと出来る瞬間が、別の言葉に例えると(例えがアレですけど)
いないさんのスカートの中身が見えた時のイヨッシャー!感が電子工作の醍醐味だと思って
ます。ねむいさんはこれからもその感触を求めて精進してきます!非性的な意味で!
今回のコードはまだ動作が確認し切れてないのでW.I.P.にしときます。
※STM32F107VCT6に統合したので削除しました。
そしてそうこうしてるうちにdigi-keyで発注していた本命のSTM32F107VCT6が
やってきたのでサンプルで頑張ってくれたSTM32F107VBT6は短い期間でしたが今回で
任務を完了です…お疲れ様…。
まさか君も秋月ARM基板を買ってしまったのか・・・
少し前にSTM32 Primer1/2用のOS,CircleOSがバージョンアップしてます。同じく
してRaisonance RIDE7の開発環境も新しくなっていました。
ねむいさんはCodesourceryをメインに使っていますがRIDEに使用されている
コンパイラもCodeSourcery。
RIDEのはまだツールチェーンのバージョンがひとつ古いです(2009年9月20日現在)
早速RIDEを入れ替え、CircleOSを新しくしようと思ってRFlasher起動させてRLINKを
認識させようとするといきなりB.S.O.D.に!!!再起動掛けて同じ事やろうとしても
やっぱりB.S.O.D.…orz
仕方ないので一度RIDEの環境を全部消してまっさらな状態でもう一度インストールを
行い(USB周りのデバドラももちろん全部消した上で)、試すと今度はOK。
…RAMディスクにデータ乗っけて作業してること多いのでマジ涙目なお話。
追:WinUSBのドライバをXPでも使えるようにすると涙目が治りました。
…前フリはおいといて、秋月はSTM32 Primer2というARMマイコンのプロトタイプ
ボードを販売していますが、それよりもずっと前にARMの基板を販売していました。
ご存じの方が多いと思いますが、販売当時のネット上の状況、とりわけ2chの電電板の
反応をみると芳しくない反応だらけでした。ボード単体では何もできないとかROM書く
のにMITUIWAボードなるLAN搭載のボードを別途購入してそのボードにROMを載せ替え
て書き込む必要が、つまりは別途ROMライタが必須だとか、そのボードはせっかく
LANがあるのに何でかシリアル経由で書く必要があるとか程度のことですが。
…うn?
なんかもう持ってるだけで情弱扱いされてしまいそうですが、それを言ったら上記の
Primer2だって買っても使いたおさなければ情弱アイテムになりかねないのは同じで
すしでもこれ以上ネガチヴなことは言うのやめてせっかくタダ同然で私の手に入った
ので使ってみようと決心しました。でもほんっとに基板だけしかなかったので先人が
ネット上に遺してくれた資料だけを頼りに動かしてみることに。
この秋月ARM基板の詳しい説明はなひたふ氏、HRA氏が残されています。AT91R40807
はMCU内にフラッシュロムがなく、8kbのPrimaryRAM,128kbのSecondaryRAMのみが
あります。秋月ARM基板には外付けでAT29LV1024というフラッシュロムが乗っかって
いますが、MITUIWAボード(=ROMライタ)を使用せずにJTAG経由でなおかつ安価な
方法でROMの書き換えを秋月ARM基板単体で行う方法をHRA氏は実現しています。
少し詳しく言うとJTAG経由でRAMにIAP(In-Application Programming)を転送
実行し、秋月ARM基板そのものをROMライタ化させている…といった感じです。
HRA氏はIAPの転送を行うJTAGアクセスの方法としてなひたふ氏が当時無料で公開して
いたMITOUJTAG体験版を使用していますが記事が書かれて数年後の今、MITOUJTAGは
残念ながら私たちホビイストの手の届かない場所に逝ってしまいました。しかし今は
OpenOCDという超強力なツールがあるので私はOpenOCDを使って同じことを再現する
ことにしました。
またサンプルコードについては何分大昔の物なので私が愛用しているCodeSourceryG++
の環境ではまともにビルドが通りません。結局スタートアップやリンカスクリプト等は
ほぼすべて1から書きなおしています。AT91R40807に当たっては避けて通れない
リマップのし方とかOpenOCDで同CPUを叩くスクリプトの書き方とかはすごく勉強に
なった…。
以下各モードでの動かし方とか動かした様子とか。
ROMスタートモードで実行するときは、まずIAP(ここではRomloader.elf)をSecondary
RAMに転送&実行し、UART1上で本来書き込むべきプログラムをフラッシュロムへと
ダウンロードします。本来はDCC経由で書くべきなんでしょうけどもHRA氏が作成
されたツールを最大限に利用させてもらいました…。
ROMに置かれたプログラムは、スタートアップルーチン内でSecondaryRAMに転送
され、そこでさらにbss領域初期化などの処理を経てmain関数へと飛びます。
RAMスタートモードで実行するときは、ROMに書かれた内容はガン無視でリマップ
されたSecondaryRAMに0x00100000からダウンロードします。さすがに早いです!
ROMスタート時と違って一切合財SecondaryRAMに押し込むので少しかさが
増えてます。
OpenOCDを使用した上記RAM,ROMスタート方法の具体的なテクニックは後に示す
ソース中のmakefikeを見てくださいね。
OpenOCD+CodesourceryG++のARM開発環境下でRAM,ROMスタートの方法を
見つかるまでかなり時間がかかりましたけどいつものUart経由でprintf
出力の所まではできました。
こっから先は回路図持ってないので出来ません…。ていうかSTM32F107とかLPC2388
とかの魅力的な石が出回ってる現在ではこれ以上この基板に時間をかける気はもう
微塵もありません!!
…しかし、時間が死ぬほど余ってる&この基板をただで手に入れたぜ〜!
なんて人は、リマップやROMなしCPUにおける外部ROMスタートの仕組みを学ぶのに
うってつけだと思います。
※20090930:
祝!秋月さんHPにてついに回路図が公開されたようです!
ねむいさんはもうこの基板やらないけど!
今回のテストプログラムはこちらです。最低限の部品で動きます。
またAT91R40807用のOpenOCDのスクリプトはこちらに。
上記サンプルソースにはビルド済のRomloaderのelfがあるけど別途コンパイルしたい
なんて方のためにこちらに置いときます…。
以上ご利用は自己責任で…。
全然関係ないけどAT91R40807が正解なんだけどAT91R40708といつも間違えてしまうorz
STM32F107をもうちょっと使ってみる
CQ-STARMの基板に乗っかっている3.3V出力のLDOは、たったの150mAしか電流
容量がありません(てかこんだけの電流容量でSDカードとかよく動かせてたな…、
無茶な設計したもんだ)。
STM32F107に載せ替えてこれからもいろいろやって行くつもりなのでそれを見据えて
同基板にもうちょっと多く電流が引くことができるLDOを載せ替えました。
元のLDO周りの回路は全部取り外し…
裏のやたらにワイドなパタンを利用してLT1963AとMLCC(X5R,16V,10uF)を取り付け…。
このLT1963Aという石は逆電圧保護・逆接保護・過熱保護などの各種保護回路があり、、
なおかつMLCCが使用可能というナイスなLDOです。その分値段は張りますが…。
昔秋月にL1087というのがあったのですが値段も安くて使いやすかったなぁ…という
思ひ出。
(レギュレートする前の電源ソースにもよるけど)最大1.5Aも電流が引けるので3.3Vで
動くいろんなデバイスをぶら下げられます。秋月のGPSモジュールとかも+3.3Vだと常
時190mA近く食ってるけど改造後は余裕です!でもGPSは次回以降のネタにとっときます…。
これで電流容量的にも安心してSDカードが使用できるようになったのでSTM32F103で
やってたFatFsのテストプログラムを107系に移植しました。といっても移植性が
非常に高いMCUなのでリンカスクリプトとスタートアップとmakefile以外はほとんど
変えずに動作確認できました。次はいよいよ本懐のFreeRTOS上でEthernet-PHYを
RMII接続で動かす!ですね。
本日のソースはこちらに…ご利用は自己責任で…。
※STM32F107VCT6に統合したので削除しました。
また、STM32F103のFatFsのテストプログラムはR0.07cに変えたときに見落としていた
処理があったのですがこれの修正を施した上で107系に移植しています。
STM32F107はぢめました
http://belogic.com/uzebox/
いつ見てもすごいなこれ
…は置いといてSTマイクロさんにサンプル請求していたSTM32F107VBT6が
ねむいさんちにやってきた!!!!
このSTM32F107xxxってやつは今年の7月にリリースされたSTM32の新機種、Connect
ivitiy-lineという種で、今までのSTM32の機能に加えてEthernet-MAC,USB-OTG(PHY
も内蔵),I2Sインターフェースとてんこもりになっています。NxPのLPC2388も同じ
数だけ周辺がありますが、多分どっちも使い切れんだろうね…orz
このチップはCQ-STARMに乗っかってたSTM32F103VBT6とピン・機能互換なので、その
まま載せ替えが可能です。というわけで早速載せ替え〜!
まずCPUだけ。STM32F107はUSB-OTGなので以前のUSBライブラリはそのまま使用でき
ません。しかしそれ以外は互換性があります。以前のプログラムをJTAG経由で書
き込み、UART,RTC,ADC,I2Cの動作を確認。載せ替えは(物理的に)上手くいっている
ようです。
次に上記のプログラムをベースにSTM32F107VBT6(Connectivity line)用にリンカ
スクリプトやスタートアップを適用していきました。またEthernet-PHYを使用
することも考えてメインのクリスタル(HSE)は25MHzの物に差し替えています。
少しの変更で作成したSTM32F107用のプログラムですが問題なく動作しました。
後はUSB-OTGのライブラリのちゃんとしたのが出そろうのを待つばかりですね〜。
それまではFreeeRTOSのSTM32F107用デモ(Ethernet-PHY制御含む)の完全動作を目標に
していきたいと思います。
あと雑多な所感とか…
STM32 Connectivity lineのMCUはシステムメモリにUART1,UART2,CAN,DFUの
ブートローダーが仕込まれているとのことで特にシステムメモリからDFUが使えると
スタートアドレスやリンカスクリプトをいじる必要もなくなりさらにやりすいかなぁ
…と思って早速試してみたのですがなぜか起動しない…orz
STマイクロのフォーラムを当たると私と同じ症状の人がいた。ううむ所詮はサンプル品
なのかはたまたerrataなのか…情報がたまるまで待ちましょうか…まぁJTAGで書き込み
とデバッグは出来るのでそちらの方法で行えばいいのですけれども(涙目で)。
STM32のコネクティビティ・ラインはブートローダーに致命的なバグがあります。
そんでもってSTM32ではJTAGで書いた消したやってるとうっかり__WFI();でループす
るようなプログラム書いちゃうとJTAGにすらアクセスできなくなってしまうのですが、
これはWFI実行したことによってJTAGの周辺回路のクロックまで止まってしまうからです。
内蔵フラッシュメモリじゃなくてシステムメモリからブートした状態からだとJTAGが
ひっかかってくれますので改めてフラッシュの内容を全消去によって復活しますので
やっちまった時の逃げわざと思っていてください。
それともうひとつ…OpenOCDでフラッシュ書き換えたときに出てくるメッセージとかを…
> "C:/Devz/AVR/WinAVR/utils/bin/make.exe" program
openocd -f C:/Devz/ARM/OCD/daemon.cfg -f C:/Devz/ARM/OCD/tcl/interface/jtagkey.cfg -f C:/Devz/ARM/OCD/tcl/target/stm32_flash.cfg -c "mt_flash main.elf"
Open On-Chip Debugger 0.3.0-in-development (2009-09-03-18:39) svn:2663
$URL: svn://svn.berlios.de/openocd/trunk/src/openocd.c $
For bug reports, read http://svn.berlios.de/svnroot/repos/openocd/trunk/BUGS
1000 kHz
jtag_nsrst_delay: 100
jtag_ntrst_delay: 100
Warn : use 'stm32.cpu' as target identifier, not '0'
Info : device: 4 "2232C"
Info : deviceID: 67358712
Info : SerialNumber: 11111111A
Info : Description: Amontec JTAGkey A
Info : clock speed 1000 kHz
Info : JTAG tap: stm32.cpu tap/device found: 0x3ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x3)
Info : JTAG tap: stm32.bs tap/device found: 0x06418041 (mfg: 0x020, part: 0x6418, ver: 0x0)
Info : JTAG tap: stm32.cpu tap/device found: 0x3ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x3)
Info : JTAG tap: stm32.bs tap/device found: 0x06418041 (mfg: 0x020, part: 0x6418, ver: 0x0)
target state: halted
target halted due to debug-request, current mode: Thread
xPSR: 0x01000000 pc: 0x08001b40 msp: 0x2000c000
Info : device id = 0x10016418
Info : flash size = 128kbytes
stm32x mass erase complete
Info : Padding image section 0 with 0 bytes
Warn : not enough working area available(requested 16384, free 16336)
wrote 44704 byte from file main.elf in 2.812626s (15.521527 kb/s)
verified 44704 bytes in 1.125051s
Info : JTAG tap: stm32.cpu tap/device found: 0x3ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x3)
Info : JTAG tap: stm32.bs tap/device found: 0x06418041 (mfg: 0x020, part: 0x6418, ver: 0x0)
> Process Exit Code: 0
> Time Taken: 00:05
STM32F103VBT6の時はJTAGチェーンが見つかったときに
nfo : JTAG tap: stm32.cpu tap/device found: 0x3ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x3)
Info : JTAG Tap/device matched
Info : JTAG tap: stm32.bs tap/device found: 0x16410041 (mfg: 0x020, part: 0x6410, ver: 0x1)
って出てましたがさすがに違いますね(あたりまえか)
続くdevice idも
STM32F103VBT6では
Info : device id = 0x20016410となっていましたが
STM32F107VBT6では
Info : device id = 0x10016418
となっています。
あとあともうひとつ…
リンカスクリプトいぢってみて分かったのですがSTM32F107VBT6はRAM48kByte
のはずだと思ったのですが、実際には64kByteありました…。
…なんだこれ???…やっぱサンプル品だから仕様外の物もあるってことでしょうか???
日々是学習
夏の喧騒も過ぎ去り、朝夕はすでに秋の気配を感じさせる季節になりましたが、皆様
皆様いかがお過ごしでしょうか?私は到来した民主政権の乱世を生き抜くべく棘付き
肩パッドとモヒカンカツラと火炎放射器を用意したぜヒャッハー!!!でも七つの傷を持つ
男だけはかんべんな!
…と検索で情報を求めて飛んできた人をまわれ右させたところで本題に入ります…
ゆっこ(伊勢乃宮雪子)ちゃんの誕生日のお祝いも終わってひと段落した所でかねて
より構想していた、LPC2388用MCIアクセスプログラムのVCOM対応版の実装に
取り掛かりました。
以前はOLEDとVCOMの出力先を切り換える部分で死んでいたのですが、深く調べた
ところまだuart処理の部分が残っていたのが分かり、これもVCOMの処理に置き換え
ることでクリア。
んでVCOMを実装したことによりスーパーバイザモードでスタックオーバーフローしてた
のが分かったのでスタックをかなりおごってあげることにより不安定だったモニタの
動作も安定化しました。
あと、ほんとにいまさらですがMartinThomas氏のIRQ-wrapperの処理を穴のあくほど
見てLPC2388上ではどのようにして割り込みの動作がなされるかも再度確認…っと。(割り込みの解説は素直にHITOPのcookbook見た方が良いです)
…うn私まだARMの動作よくわかっていない部分があるんだ。
うむむUSB周りはほんとに難解ですね…やっていくうちに霧が晴れるようにわかるどこ
ろかますます視界がふさがっていくような感じです…(個人的に霧は大嫌いだし)。
それでも進んでいくしかない。次はUSB-MSCの実装で残っていた課題のMCIアクセスの
DMA化を目指しましょう。
といったところで今日のソースを…。ご使用は自己責任で…。
過去にリリースしたソースも改良すべき点や明らかな間違いを見つけた時は適宜修正
したりしてます。落として試されたことがある方はご留意ください。
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