LM4F120シリーズ(Stellaris Launchpad)を使ってみる
入院をごく間近というか明日に控え、プールしていた小ネタで消化します…
Launchを"らうんち"と呼んでしまうねむいさんですが注文していたのが
やっとこ手に入りました!
Cortex-M4Fコアが乗ったLM4F120シリーズを使った超格安評価基板である
Stellaris LM4F Launchpadです!
なんと同じチップが2つも乗っかってます。そのうちの一つはStellaris-ICDIデバッガ
ハードウエアを構成しています。
I/Oピンはプロトタイプ性を意識して亀の子が出来るコネクタが実装済です。しかし
ピン側は非常に曲がりやすいのでご注意を。
さて、取っ掛りのLED点滅を行いたいところですがStellarisWareのソースコード
だけではCMSISに準拠していないのでTIのサイトに登録し、
"TI-CMSIS-Devices-****.exe"っていう
インストーラを探してCMSIS準拠のヘッダファイルその他を取得する必要があります。
…これでSTM32等でやってたプロジェクトと同じ物が作れました。ベースはまだ
手に入れていないSTM32F3の物です…おきぱにありますので自己責任でどうぞ…
ところでビルドしたバイナリの書き込み/デバッグなのですが残念ながらLaunchpadに
付いているICDIは過去の旧Lumitaryの評価基板にあるようなFT2232系の物やそれの
エミュレーションではなく独自の物となっています。つまりまだOpenOCDにはまだ対応
していません。しかし、STによるSTLink対応の時と同じくTI側の技術者さんも協力
してくれているようで、OpenOCDへの対応は進められているようです♥
それに先立ちオープンソースのLM4Fフラッシュライタも公開されています
(コメント欄のあたり)。
また、従来のVersaloonとかのデバッガは駄目なのかというとそうでもなく、外部に出て
いるJTAGのポートにデバッガハードウエアを繋げてやればSTM32と同じくJTAG/SWDで
読み書きやデバッグが可能です!
JTAG/SWD用のヘッダピンを追加するだけで他のハンダつけ作業も不要です。
当たり前ですがStellaris特有のROMドライバの関数を使った場合、関数の
中まではいけないのでご注意を。
InsightとI/OViewでDID0レジスタを見るとLaunchpadに使われてるLM4F120H5QRの
リビジョンはRev.A3であることが分かりますね。こう言う出始めに超格安で評価
ボードバラまく時って大抵ES品とかエラッタ満載のリビジョンの浅いの乗っけるん
ですがちょっとは良心的だと思います。
↓SWD接続のVersaloonで書き込んだときのメッセージはこんな感じです。
> "C:¥Devz¥Coreutils¥bin¥make.exe" program
openocd -s C:/Devz/ARM/OCD/tcl -f interface/vsllink_swd.cfg -f target/lm4f120xxxx_flash.cfg -c "mt_flash main.elf"
Open On-Chip Debugger 0.7.0-dev-00050-g98a41bc-dirty (2012-10-18-09:39)
Licensed under GNU GPL v2
For bug reports, read
http://openocd.sourceforge.net/doc/doxygen/bugs.html
Info : OpenOCD runs in SWD mode
adapter speed: 500 kHz
Info : Versaloon(0x15)by Simon(compiled on Jul 18 2012)
Info : USB_TO_XXX abilities: 0x0000072E:0x010001EF:0xC0000007
Info : clock speed 500 kHz
Info : lm4f120h5qr.cpu: hardware has 6 breakpoints, 4 watchpoints
adapter speed: 500 kHz
cortex_m3 reset_config sysresetreq
target state: halted
target halted due to debug-request, current mode: Thread
xPSR: 0x01000000 pc: 0x00000280 msp: 0x20008000
auto erase enabled
wrote 2048 bytes from file main.elf in 0.156251s (12.800 KiB/s)
verified 1124 bytes in 0.140626s (7.806 KiB/s)
adapter speed: 500 kHz
cortex_m3 reset_config sysresetreq
shutdown command invoked
> Process Exit Code: 0
> Time Taken: 00:01
おきぱにあるOpenOCDの32bitバイナリもLM4F120系のMCUの書き込みに対応した
cfgファイルをすでに追加してあります。
FT2232系やSWD接続のVersaloonで書き込みが可能です。
Launchpad付属のICDIもあともう少し待てばOpenOCDに対応される
はずなので首を長くして待ちましょう♥
LPC4330を使ってみる3 -デュアルコアで動かす-
LPC43x0シリーズはCortex-M4FコアとCortex-M0コアが一つのチップに同時に存在する
"Heterogeneous"なデュアルコアSoCです。"某巨乳女子高生雀士のiPS細胞に関する主張
を全面支持しているねむいさんにとってはヘテロは敵にあたるわけですが早くiPSが
実用化されていないさんに私の子供をバコバコ孕まs
…ぇーっと今回はLPC4330のM4コアとM0コアを連係させて動作させてみます。
LPC4330においてはM4コア側がMaster,M0コア側がSlaveの関係となってます。
パワーオンor外部リセット直後はM0コアはリセットしっぱなし状態になっており
M4側から起こしてやることでようやくM0コアが走り始めます。
どっかの壺では全く逆のでたらめが書かれていますので注意してください。UM10503の
38pに"The IRC is selected as CPU clock and the Cortex-M4 starts the boot
loader."と明記され、さらに94pにもリセット後の各コアのステートが明記されて
おりますので必読です!
NxPのマルチコアのアプリケーションノートにも起動順がはっきりと明記されてます!
このM0コアのプログラムはどうするのかというとM4用のプログラムをビルドする
ときにM0コアのプログラムをオブジェクトとして丸々取り込み、一つのバイナリ
としてこさえる必要があります。
これを起動時に簡易なブートローダーでSRAM上にM0用プログラムを転送して、
M0コアのリセットを解除してやります。メモリ構成のイメージとしては下図の
ような感じになります。
また、M0用プログラムは0x00000000にシャドウされ実行するのでM0用プログラムは
必ず0x00000000から実行するようにビルドします。それに対してスタックポインタは
実アドレスを指定しなければなりませんのでご注意を。
M0用のコードはその存在意義上小さく作りこむ必要があるので32kbyte程確保して
おけば良いでしょう。今回の例としてはLocalSRAM2の0x1008000に置きましたが、
LocalSRAM1やAHBRAMにもプログラムを置くことができます。とはいえ両方のコアを
SPIFI上ではなく、SRAM上で動かさないと本来の性能は全く引き出せず、M0コアの
ことも考えるとますます窮屈になってしまいますね。
やはりもう少しSRAM欲しかったな…204MHzでアクセスできるのが1MBくらい…。
↑M0用プログラムの転送後はM0用のベクタアドレスを設定するのを忘れずに。
ここもスタックと同じく実アドレスを指定してください。
M4コアとM0コア間の通信方法は何通りもありますが今回は公式で配布してる
サンプルに倣ってSEV命令で各コアに割り込みを発生させて通知するように
しています。
↑写真じゃよくわかりませんですけどもデュアルコアで動いてます。
今回紹介のGCCでコマンドラインビルド可能なプロジェクト一式はこちらです。
注意書きはしておりますが、M0->M4の順で必ずビルドを行ってください。
ついでですがOpenOCDのLPC4330-Xplorer向けのコンフィグファイルを少し
変更しました。
外部リセット(SRST)を一切使わずリセット制御レジスタの操作で賄うように
してます。もともとSWD接続のVerasloonで使いたかったのでSRSTがない
デバッガハードウエア向けに外部リセットを操作しないでも使えるように
するのが目的でした…が、LPC4330がデュアルコアでSWDは一つのコアにしか
対応していないの忘れていました。
結局JTAG接続専用になってしまいましたのでご注意を。
そもそもOpenOCDのspifiドライバがJTAG接続べったりの実装になってるのでぱっち当てるのめどいです
SPIFIブートにバグがあるLPC4330の動きを抑えるためのミソは以下の点です。
1.cortex-m3のリセット設定は"vectreset"にする。
2.srst/trstは"none"にする。
3.リセット信号の操作はRESET_CTRL0レジスタのCORE-Resetビットを叩く
具体的には0x40053100に0x00000001を書き100mSec程十分に待つ。
これは外部リセットとほぼ同じ効果を持ちます。
4.reset-init時にM0コアを確実にhaltさせるためにM0コアの
リセットを解除する。
具体的には0x40053104に0x00000000を書く。
これでやると外部リセットなくてもほぼうまくいきます♥
詳しい内容、使い方はlpc4330_xplorer_spifi.cfgと私のLPC4330向けプロジェクト
ファイルにあるmakefileを熟読の上。
因みにspifiブートの時に外部リセットを2度かける必要がある理由は(パワーオン時の)
リセット後の外部リセットでspifiのROMドライバにあるイニシャライズが必ずコケて
暴走するから(だからリセット後いきなりHardFaultしたように見える)で、その次の
外部リセット操作ではそれがクリアされて再々イニシャライズが成功するからだ
そうですよF**K!!!!
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