FM3マイコンを使ってみる3 -FatFsとTFT液晶表示の実装-

今月(2012年7月号)のInterface誌は予想に反して私のようなホビイストには
とてもありがたい内容となっておりました。
ねむいさんは正直Windowsネイティブな環境でもGCCでビルド
デバッグできるのになぜか面倒なcygwinを使わせた上糞の役にも立たないLED
点滅で終わらせて実用的な作例はIARとかKEILのIDEのみで行って「んんんn〜〜!!!
GCCは面倒ですぞ〜!CQ出版がお勧めするIARやKEILを使ってくだされ〜!1!」
って
販促するパタンで畳み掛けると思ったのですがどうせなら開き直ってDS-5とか
推せよとかいつも思っていたのですが今回は全然そういう事は全くなく、
オープンソースなソフトウェア(OSS)をフルに活用した記事が満載でした。
もちろんOSSにもメリットデメリットがあって邑中 雅樹氏の講演のスライド13p目
それが集約されていると思います。タダより高くつくものはないです。
しかしながら趣味でやる場合は互いに情報を出し惜しみすることなく情報を
やり取りすることによって敷居を低くできるので横のつながりを大切にして
いきましょうね。

私も"ねむいさんのページ見てもわかりづらくてOpenOCD動かせられなかったけど
他の人のページに書いてあるやり方だったら一発で出来た"と言われないような
記事作りを心がけて行きます(←まだ根に持ってる)




…さて戯言はこの辺にしといてFM3マイコンはFatFsとシリアル&i8080バス
接続タイプのTFT-LCDドライバを使ったいつものの実装を目標と
しています。FM3のデータシートや
アプリケーションノートは情報散らばりすぎでいまいち組み方がわかりづら
かったのですが、上記IF誌に収録されていた作例にわかり易いサンプル例が
多数収録されておりそれを最大限に活用させていただきました。


●UARTとFatFs
UARTは前回行ったのと同じですが、前回jujurou氏よりコメントいただいた通り
SRAMの割りあてはSTM32F4の時のように目くじら立てるほどのことではないことが
判明しふつーに128kByteの内蔵SRAMとして使うことにしました。私が試した限りでは
すべてのSRAM領域でDMA可能でなおかつコード実行も可能でした。

というわけでChaN氏の作例にならってMFSを使ったMMC用のドライバも作り、
危なげなくFatFsも動作確認しました。ちなみにChaN氏はDMAを使用せずFIFOを
使用していますがSCKを18MHzにしたリード速度は下画像のようになりました。

STM32F107(DMA転送)の時とほぼ同じですね〜。SPIモードの場合の理論上の
転送スピードは18MHzの時約2.2MByte/Secになりますから無理してDMA化する必要が
なかったようですね。尤もFM3においては内部の遅延により+3.3V駆動の際に保証
されるSCLKの最高速度は7.2MHzにしかならないそうです。
STM32F4とかはSPIでも42MHzまで叩き出せるのにs**kです。


●シリアル接続タイプのTFT-LCD
扱いも容易でaitendoさんで手軽に購入できるようになったシリアル接続タイプの
TFTLCDも、FatFsの時と同じくMFSを利用してHALを作りました。もちろんGPIOによる
ソフトウェアSPIにも対応していますが…FM3のGPIOはAPBバスにぶら下がっていて
なおかつ1HCLK分ウエイトが掛かっているようでGPIOの出力レジスタに8bitのデータ
投げるような単純にstr命令だけが連続するような操作でもMAX12MHz、ビットバンド
領域の単純なビット操作はその半分のMAX6MHzしか出ないことが判明し、あまりお勧め
できません。

↑0xFFと0x00を交互にPDORFxに全速力でブン投げた時のI/Oトグル波形…
 STM32F1(18MHz)以下ですかorz

↑ビットバンドなアクセスの場合はCortexの仕様上最短2クロックサイクル
 かかるのでさらにその半分orz
 TFT-LCDのRES線制御等の1ビット分だけの制御の場合はリードモディファイ
 ライトが行われないビットバンド領域のアクセスの方が早いです。
 ちなみにFM3にはSTやNxP系ARMマイコンにあるGPIO出力ポートのビット
 セット/リセットレジスタなぞありませんorz

また、上のFatFsの話の時は7.2MHzしかSPIの速度が出せないと述べていますが
リードのことは考えずただLCDにシリアル信号をブン投げるだけなら18MHzでも
全く問題ないのでどしどし使いましょう。とくにFM3では9bitシリアルもハード
ウエアで設定可能であり、9bitシリアルにしかI/Fが対応していないTFT-LCD
モジュールなどでは速度面で重宝します。

↑ということで9bitシリアルにしか対応してないHX8340B(N)なTFT-LCDモジュールを
 ハードウエア9bitSPIで動かしてみました。表示が早くなって感激です!
 これでNokia6070その他9bitシリアルな液晶さんたちが救われます!ちなみに…、

 いないさんの大事な部分が見切れていますがこれはPNG表示ルーチンの仕様です。


●外部バスとi8080バス接続タイプのTFT-LCD

今回のFM3基板に乗っかっているチップはA24までExternalBusInterfaceとして
アドレスバスが出せられます。
とはいえLCDを駆動するだけならアドレス線は一本だけで十分ですが…

こちらに関しては7月号の付録に収録されている松浦氏のMP3プレーヤーのLCD/SRAM
アクセス初期化部をかなり参考にさせていただき、さらにSTM32/LPC2388のように
柔軟性を上げて作り込みました。
今回の松浦氏の紹介にあるMP3プレーヤーの基板の回路に互換性をもたせてあります
ので他の方も再現できると思います(タッチパネル制御はADCを使用せず、ADS7843に
任せていますので非互換です)

↑この写真ではすでにタッチパネル制御も入れてます。

●タッチパネル制御
タッチパネルによる座標情報はタッチパネルコントローラICであるADS7843を
使用して得ています。AD7843はSPI通信の信号はかなり遅めにする必要があるので
簡素なGPIOによるソフトSPIでも十分間に合います。

さて、タッチパネルはキャリブレーションが必須ですが、キャリブレーションした
後のデータはこのFM3基板上実装されたFRAM(MB85RC16)にストアしました。
こちらに関してもChaN氏がFRAM向けのI2Cドライバとして実装されていたので
こちらを活用し、ストア・リストアするルーチンを作り込みました。
使用していて気付きましたが、やはりFRAMであってもWRITEを行った後は少し
ウェイトを挿入しないと次のWRITE操作に影響が出ることが分かり、なるべく
一つのデータにまとめて一つのWRITE操作で書き込むようにしています。




…ということでChaN氏のFatFsとファイラを実装して動かすという当初の目的が
達成されたわけですが、PWM出力と外部SRAM、あと外部SRAMとのDMA転送も試して
みたいのでもう少しコードは練った上での公開とさせていただきます。
公開しています。

STM32F0とXMEGAのFatFsのDMA化とTIのStellarisと東海自然歩道のネタが次に控えて
いて書くことがたくさんあり過ぎますがもう少しだけFM3です。



おまけ:FM3マイコンの性能やデバッグ効率を上げる小ネタです。

●FM3のパフォーマンスをアップする
HCLKが72MHz以上の時、FM3はプリフェッチバッファが有効になるそうですが
(元から有効化されてるみたいですが)この時さらに先読みした命令をストアできる
トレースバッファを有効化することもできます。FUJITSU提供のテンプレートでは
有効化するルーチンは無いので自分で挿入する必要があります。
消費電流は100mAオーバー(HCLK=144MHz時)で結構発熱しますがそれを厭わない方は
ガシガシ使って行きましょう。





●OpenOCD経由のフラッシュ書き込み速度を増加してデバッグ効率のアップ
現在のOpenOCDのFM3のフラッシュ書き込みルーチンは、I/Dコードバスに
ぶら下がった内蔵SRAM領域にフラッシュ書き込み操作とフラッシュに書き込む
データをJTAG/SWDで転送・実行していますが、ワークメモリの容量はハード
コーディングされています。128kByteもあるMB9BF618Tではもっと大容量の
メモリを確保可能なのでこの部分をデバイスID別に可変にするようにしました
(MB9BF618Tの場合は32768Byteにしました)。

ワークエリア増やしてもあんまし変らんだろと思っていましたがなんと
驚くべき結果が!!!!!

> "C:¥Devz¥AVR¥WinAVR¥utils¥bin¥make.exe" program
openocd -s C:/Devz/ARM/OCD/tcl -f interface/jtagkey2.cfg -f target/mb9bf618t_flash.cfg -c "mt_flash main.elf"
Open On-Chip Debugger 0.6.0-dev-00595-g445a54a-dirty (2012-05-26-12:03)
Licensed under GNU GPL v2
For bug reports, read
http://openocd.sourceforge.net/doc/doxygen/bugs.html
Info : only one transport option; autoselect 'jtag'
adapter_nsrst_delay: 100
jtag_ntrst_delay: 100
trst_only separate trst_push_pull
500 kHz
cortex_m3 reset_config sysresetreq
verify Capture-IR is disabled
Info : device: 6 "2232H"
Info : deviceID: 67358712
Info : SerialNumber: 22222222A
Info : Description: Amontec JTAGkey-2 A
Info : max TCK change to: 30000 kHz
Info : clock speed 500 kHz
Info : JTAG tap: mb9bfxx8.cpu tap/device found: 0x4ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x4)
Info : mb9bfxx8.cpu: hardware has 6 breakpoints, 4 watchpoints
Info : JTAG tap: mb9bfxx8.cpu tap/device found: 0x4ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x4)
target state: halted
target halted due to debug-request, current mode: Thread
xPSR: 0x01000000 pc: 0x00000114 msp: 0x20010000
Rize up to Internal PLLed Clock!
15000 kHz
auto erase enabled
Info : Fujitsu MB9Bxxx: Sector Erase ... (0 to 9)
Info : Fujitsu MB9B500: FLASH Write ...
wrote 1048576 bytes from file main.elf in 18.625118s (54.980 KiB/s)
verified 941740 bytes in 0.828131s (1110.534 KiB/s)
Info : JTAG tap: mb9bfxx8.cpu tap/device found: 0x4ba00477 (mfg: 0x23b, part: 0xba00, ver: 0x4)
shutdown command invoked

> Process Exit Code: 0
> Time Taken: 00:21


なんと
wrote 1048576 bytes from file main.elf in 18.625118s (54.980 KiB/s)
となって、前々回と比べると5倍以上高速化出来るようになりました!
なんというか新生青銅聖衣を装着して敵の本拠地にカチ込まんとする
星矢さんのような"よぉしこれで全力で戦える!!!"な気分です。


一通り検証も終わったのでOpenOCDビルド時のFM3向けパッチとして公開しています
今回のパッチはiruka氏とjujurou氏の物を合わせたのをベースにしてます。
また、OpenOCDのFM3向けコンフィグファイルと組み合わせないと性能が
出ないので上のOpenOCDのビルド&デバッグ方法をよく読み試してください。

FM3マイコンを使ってみる2

一応ねむいさん的にはChaN氏のFatFsといつものTFT-LCDドライバの実装までを
目標としています。今回はその中継ぎとしてSTM32F4の時に行ったメモリ構成の
決定とFM3の機能であるMFSを使ったUARTを使った標準関数のリダイレクト、そして
OpenOCDを使ったデバッグ環境の強化を行いました。

FM3のシリアル通信はMFSというUART,I2C,SPIの機能を柔軟に切り替えて使用可能な
ユニットを通じて行われます。マニュアルやサンプルコードをざっと見た感じでは
非常にめどそうな設定や操作項目が多い感じでした。


●基本の"き"、UART実装
…と言いたいところでしたがIF誌の特設ページを見るとなんとChaN氏自身がFatFsと
シリアル通信関連のプログラムをFM3移植されていたのでこれを最大限に活用させて
いただき、まずUARTの環境を拵えました。ChaN氏のUARTのルーチンとは
バッファ構成が少し違っていてXMEGAを触った時に覚えたリングバッファをパク
って構成しました。

また、ChaN氏は周辺機器レジスタ定義をFujitsuが提供するCMSISのもの(mb9b610t.h)
ではなく自己生成のパブリックドメインな物を使用されていました。こちらも私の都合で
一部だけ利用させてもらい他はFujitsu製のレジスタ定義にしています。
1文字送信関数は動作したのでお次はprintf系の標準関数にリダイレクトを行いました。


●メモリ構成の決定と標準関数(newlib)のリダイレクト
もう何度も何度も言及していますが、GCC環境でARMを初めて触った人が引っかかるの
はprintf系の関数がビルドできない動作できないという点です。尤も今回のFM3マイコ
ン基板に限ってはIF誌を1章から馬鹿正直読み進めてその通りにしてしまうとLED点滅
すらできず(なんでそうなるかはよく読めばわかります)、人の話を聞かない
ねむいさんのようなタイプの人のほうがさっさと先に進めるというのは何とも
言い難いところですが、これは「本やネットに書いてること鵜呑みにして自分の頭で
考えないからそんなくだらない所で嵌るんだよ
」というCQ出版の読者に対する
挑戦なのでしょうか?
もしそうならカンガルー先輩を本国から再召還し編集部全員にヤキ入れ直しt
済みません話逸れ過ぎました
20120522追:
カンガルー先輩がヤキ入れした結果


ぇっとprintfの話でしたっけ、GCCのビルド環境でたとえばSourceryCodeBench
newlibを使うためには未定義の関数をユーザーが定義し紐つける(=リダイレクト)
が必要となります。細かい説明はLPC2388の時と同じです。

前回はLEDの点滅ができる程度で適当に決めていましたがnewlibを使用するにあたって
内蔵SRAMの構成をひとまず下のようにしました。

20120612変更:
内蔵RAM上のどのアドレス領域でもDMAできるのがわかったので分割は止めて、
128kByte分まるまる使う構成に変更しました。


MB9BF618Tの128kByteあるSRAMのうち0x1FFF0000から始まる64kByteはI/D
コードバスに、0x20000000から始まる64kByte分はシステムバスに接続されて
いるそうです。
まだ未確認ですがDMACがシステムバス経由でしかやり取りできないっぽいので
DMA用のRAMを確保するために0x20000000から先の64kByte分はまるまるHEAP領域と
しました。この構成はFatFsを積んだときにまた変わるかもしれません。

20120530追:
実験を行いましたが、どの領域でもDMAは可能でした。
また、同じくどの領域でもコード実行が可能でした



というわけでUART経由のprintf関数も無事動作。
もちろんsprintfやscanf等も使用できます。
UARTに使用されるポートはボリ松拡張基板のUART入出力で使用されるMFS3_2
なので、(FRK-FM3ではCN3の33p&34p)ボリ板でも再現可能です。
ところでmankoiって何ですかって?ぐふふ…


●ioviewを使いOpenOCDからペリフェラルレジスタを参照する
Fujitsuが提供しているレジスタの定義は全てがビットフィールドの定義もなされて
いてフツーにプログラミングする際は便利です(mb9b610t.hのサイズが超でかくなっ
てはいますが)しかし、これをこのままioviewに適用するとunionの数が多すぎるのか
参照した瞬間にinsightやGDBが落ちてしまいました。
やはり地道に一つづつ定義していくしかないのかと思っていた矢先、ChaN氏謹製の
レジスタ定義があるのを思い出しこちらを活用させてもらいました!自動生成されて
いるので一部レジスタの定義が二重になっている箇所がありましたがすぐに気付いて
修正し、mb9bf61x_io_view.cの完成です!

ビット単位の参照が可能なのは現状PDORx系のレジスタのみです。私の動作検証が
進むにつれて主要な物はレジスタのビット参照可能なようにして行きます。



ということで長々とお話ししましたが前回のLED点滅プログラムに+αを加えた物
すでに更新しています。以前のプログラムを使用してprintfとかしようとした人は
リンカスクリプトがまだ適当だったので多分できなかったと思いますすみません。

また、新井氏(絵描きのaraiさんと名前が被るので混乱を招かないためにこちらの
新井さんは以後漢字記名で統一させていただきます)のSystemCoreClockUpdate()
周りの修正
も今回の更新にあたり反映させていただきました。

東海自然歩道を徃く16(田口〜四谷/四谷〜三河大野)

うn、今このページ開いた君が今がっかりしてる理由はわかる。FM3マイコン基板関連
の記事が更新されてると思ったらいつもの写真ベタベタ貼り付けてる東海自然歩道の
クッソ重い記事なんだから。でもこれ単なるハイキングではなくて、れっきとしたGPSロ
ガーの実践動作検証なのは分かる人には分かってくれていると思う(逆切れ)。

そして中部地方ステージ前半の最終区間の記録なのでじっくりと見てほしい。


●2012.03.25 田口〜四谷

さて、今期最終区間の田口〜三河大野を往くわけですが、この区間は一般的に東海
自然歩道の三大難所の一つと呼ばれています。残り二つは丹沢縦走と鍋倉山です。
尤も鍋倉山が難所だった理由は前世紀までは鍋倉山<->池田山の連登ルートだった
からで、野原谷が整備難によって廃され池田山の麓を迂回するルートになってから
は格段に難易度が低下してます。ねむいさん的にはアクセスが非常に悪くなり道も
ガタガタになってしまった鈴鹿峠周辺を新たな難所に推したいと思います。

すみません前置き長すぎましたが名古屋駅から本長篠までは格安で新幹線を利用で
きる新城・本長篠往復切符(新幹線版)を利用しました。新幹線は早いのですがすれ
違い待ちがやたらと多い飯田線が苦痛です...


やっとこ飯田線から解放されたら今度はバスで40分ほど…もうケツが痛いです…
この写真はバスの車窓から取った鳳来寺山門です。かつてはここは田口線の線路
でした。

そして終点の田口バス停に着いたころには雪が!!
三月下旬の忘れ雪ですか…

今回は先にちょっと寄り道をしてきました。以前田口に行きついた時にはスルー
していましたが田口線で使用されていた車両が保存されている奥三河郷土資料館
です。いわばもう一つの三河田口駅です。

車両内は田口線のちょっとした資料館となっています。

郷土資料本館内を見てる時間はさすがに無いので車両だけ見てこの場を去りました。
こんどこそさらば。今回もやはりタイムアタックな山行なのです。

エントリポイントの福田寺に。雪がやむどころかさらに勢いを増してきやがりました。

ルートは田口の街の外周をぐるっと回って和市へと向かいます。
なんか通行止めの橋がありましたが下を通過しクリア。

設楽ダムの"縄張り"が多数ある集落を抜けて和市へ向かう山道へ…!


雪は止みましたが標高が高まってくると今度は積雪が目立ってきます。
ルート上で一番高くなる地点で池葉守護神社に。ここからまた下って
いきます。

和市のバス停の分岐に。ここから先は岩古谷山への本格的な登山道になります。

十三曲がりと呼ばれる九十九折りの道を越えて堤石峠に。こっから先、非常に
過酷な岩尾根の縦走ルートになります!!

標高高くなるとすぐに雪が目立ってきましたが私まだこの地点では冷たい風雪に叩
かれつつも"あれ余裕じゃん"と思ってました…が!

この木組のスロープがまぢでやばかったです。晴れで乾燥していたら大したことは
無いはずですが、この日は雪解けが再び凍りつき踏ん張ろうにも踏ん張れません
また左側面の岸壁も微妙に隙間ができており寄りかかりながらの通過もできません!
このスロープは岩肌の側面に巻きつくように付いており、万が一落ちたら確実に
死にます。それでも私は勇気を絞って右側の金属の柵に自分の運命を細腕に全力を
こめて一歩一歩確実に歩を進mズルッ

ひぃゃあああぁAあaaぁああaあぁぁああぁあああぁあぁぁぁ!!


まぁでもこのブログ書いてるってことは滑ったけど落ちずに無事生還したってこと
ですね。残念でした!
と悪態付きつつもさらに難関は続きます…この季節に強い風雪くらうとは思っても
みませんでしたが、堤石峠で前もって体幹に新聞紙を巻きつけて対策しておいたので
トレランの軽装備ながらも体温の低下は避けられました。

岩古谷山の頂上に到着です…天気がいい時はここは絶景の場所で、ネット上の登山記
を散見すると年配の夫婦もダブルピースで写真を取られてたりしてますが私はとても
じゃないけどそんな余裕ありませんでした…
早く岩尾根群を越えないとゴールの滝上バス停の時間に間に合わない!

この階段の奥に昔使われていた梯子みたいな角度の旧階段があります。
ねむいさんは高所恐怖症なので視界に入れないようにしました。



なおも続く岩岩岩
雪で滑らないようにヤモリのようにへばりついて黙々と進んでいきました!

障子岩と呼ばれる地点に。ここまで来たら鞍掛山の頂上まであと少し!!!

っ着いた―!!!鞍掛山の頂上に到着です。
実は私は和市からここまで新しい足跡をずっと追いかけてきていたのですがここで
足跡の主の方たちに追いつきました。

ここから先は岩尾根から解放されひたすら下山のルートとなります。雪がところ
どころ残っているので慎重に下りました。


下るにつれ雪も無くなり道も走りやすくなってきたのでかしやげ峠を越えたら
さらに駆け下りるスピードを上げていきました!

山道を抜けると一気に視界が広がり棚田が見えてきました。四谷の千枚田です。

アスファルト舗装された車道を駆け下り、仏坂峠への分岐で東海自然歩道から
離脱しました。次回のエントリポイントはここです。ただ、最寄りの公共交通
機関である滝上バス停まで5km以上あります。


時間も依然としてやばいです。15:19のバスを逃すと次は18時台(最終)。
急いで駆け下りないと…いいつつ僅かな時間を見つけしっかり千枚田の
下部ビューポイントから棚田と鞍掛山の姿をデジカメに収めました。


ひたすら車道を走る!!下りだからまだ楽ですが次回はここを登りなので今か
ら非常に気が重いです…と思慮にふけってるうちに大きい道路の交差点に出て、
滝上バス停に到着しました…間に合った…!

悪路な上に時間にも追われる厳しいルートである田口〜三河大野の前半でしたが、
何とか予定通りにクリアできました。


●2012.04.01 四谷〜三河大野

今期ラストとなる山行です。奮発してミューチケット買って名鉄で豊橋に。


前回と同じく豊橋から飯田線天龍峡行きに乗って本長篠に、さらにそこから
豊鉄バスで滝上へ…。

ご多忙に漏れず今回も帰りの飯田線に乗るための時間制限があります。
事前調査では17時には三河大野駅に着かないと次の電車は19時台になってしまい、
またまた帰りが超遅くなってしまいます…そして今回も岩尾根を進むコースで
ゆうに7時間ほど掛るらしいとのこと…。そこで私はルートの最初と最後にある
走りやすいアスファルト道を全力で走り一気に時間を稼ぐ作戦を立てて実行しました!
というわけで写真はその道中にある馬頭観音の説明板。


走って走って千枚田下部ビューポイントに到着。前回は車道を走り降りましたが、
今回は千枚田の男坂一本道を駆けあがっていきます!



千枚田の春はまだ先のようですね〜

さらに車道と合流し駆けあがって東海自然歩道とのエントリポイントに。

さらにさらに駆けあがって仏坂峠トンネル手前の登山道に!!…はぁはぁ…
でも予定時間を45分早めることができました♥

少し水分を取った後仏坂峠に。実は前回の鞍掛山からここまで千枚田を経由せず
直に来られたのですが現在はご覧のとおり崩壊しています。

急な山道をさらに登って行って海老峠に。しかしもっと登ります!

道が少しなだらかになったところで宇連山の分岐に出ました。もうこの
時点で17時の電車に間に合うほど時間を切り詰められて余裕ができたので
宇連山の頂上まで行きました。


宇連山の頂上です。

宇連山分岐に戻りどんどん下ると林道に。

大島の滝を越えたところで人間の建造物もちらほらと。


正体は棚山高原のバンガロー村の跡地です。いかにも豊かで日本がまだ元気
だった昭和中後期に出来た夢の跡って感じですね…ていうか東海自然歩道自身も
最初は土建屋さn達がうっはうはのバブリーな…


ゲフン…他の方のレポートによると、この今にも崩れそうな詰所には確か描き置き出来る
ノートがあったはずですが…ありました!
しかも数日前の書き込みまである!もちろん私も書いていきました。


さて、ここから先は再び厳しい岩尾根の道になります。標高は下がるのですが
道は遥かに険しくなります。

玖老勢峠に到着。少し小休止。


この日は前回と打って変わって晴れていてよく乾燥していたので
岩場も難なく攻略できました!

この犬戻りって書いてある個所の次の急坂がめっちゃきついです‥。



クロ岩に到着。前回と同じく岩岩岩の連続。


瑠璃山とそこからの絶景です。ここまでくれば鳳来寺山山頂まであと少し!


道の岩肌が少なくなったところで鳳来寺山山頂についに到着しました!



お次は本堂を目指して奥の院から下りていきます。途中でカラフルな登山の
格好をした人たちにも多数すれ違いました。



本堂と徳川家康が祀られているとされている東照宮です。


東照宮にあるわき道から鳳来寺パークウエィを越えて行者越に
ここからは下り一辺倒となります。


湯谷峠を越えて山道をずんずん駆け下りていくとだんだんと走りやすい
道となりアスファルトに変わったところで集落に出ます。

飯田線を一度横切りますが、正規ルートは豊橋方面とは逆方向に進路を取ります。


宇連川に掛るつり橋と荒沢不動明王です。痛恨のピンボケorz

荒沢不動明王を出て国道と合流したこの地点で東海自然歩道と離脱します。
11月から再開した時はここがエントリポイントとなります。


国道を南下して大野橋で宇連川を渡り返し、今期のゴールである三河大野駅に
ついに到着です!!スタート時の到着目標時間は最低17時5分でしたが最終的に
16時台発の飯田線に到達するかの時間(16:22)まで大幅な短縮を達成しました!

後はゆっくりと着替え身支度をして駅周辺を散策した後に17時台発の飯田線に
ゆられて豊橋(から京都に)帰りました



というわけで最後までギリギリでしたが今期で中部地方の前半となる岐阜・愛知県内の
ルートをほぼすべて走破しました!続きは気温が低くなる11月からの再開となります。
それまでは私事も相まってトレランのような大きな負荷がかかる運動はお休みです。
しかし山"歩き"くらいはできるので京都周辺の山を現在も歩き回っています。


田口〜四谷 GPSログ

四谷〜三河大野 GPSログ


おしまいっ
…といいたいところですが実は岐阜県内にあと1ルート残ってるんですよね…

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