GPS/GNSSモジュールを試用する14 -Beidou対応ファームウェアを試す-

今月は天気が良くて週末は山に、ウィークディはぶろぐへの質問対応に明け暮れていた
(がた老さんには大変ご迷惑おおかけしました)ので碌な更新ができてません…が、ちゃんとネタは
仕込んでますのでご期待ください!チラッ



さて、現時点でホビイストにとっては攻守ともに極めて優れたGNSSモジュールはGms-g9
一択なわけですが、2年前に販売されて以来いまだそれを超えるものがいまだに出てきて
いないのが現状です。

そういったなかでも新たに中国のBeidou(北斗-2/Compass-2)対応のGNSSモジュール等
が市販されてきたのは皆さんもご存じだと思います。私はBeidou対応のモジュールは購入
するつもりはなかったのですがファームウェアだけは手に入りましたので無理くそ適用した
試用レポートをご報告いたします。


今回テストで使用するのは家山〜久能尾で使用したGms-g6aです。Gms-g9とはアンテナが
違う点はほぼ同じなのでこちらを生贄テスト用モジュールとして使用します。GNSSのチップは
おなじみMT3333です。

まずは欧州店のGms-b6のファームウェアをゲッツしてきます。Gms-b6もMT3333で動作する
モジュールです。したがって無理くそ書き換えてやれば使えるかもしれません!


こちらは書き換える前のバージョンストリングです。
早速書き換えて再起動してみます。


やった!!メジャーバージョンがAXN3.10->AXN3.60まで上がってます!



一部のコマンドも拡張されていてBeidouやGalileo対応の項目も追加されているようです。



そして実使用です!!おおっBeidouの衛星が見えた!…と
喜んだのはいいもののすぐに違和感に気付いた…GLONASSが見えてない…!?


Gms-g9のファームにするとGLONASSがちゃんと見えました…さっきの拡張されたコマンドは
実はどのGNSSを受信するかというものなのですが設定できるにも関わらずそれを無視して
受信する衛星の設定はあらかじめハードコードされているようです。つまり現時点ではBeidouと
GLONASSは排他使用しかできないようです。
さらにそのあとMT3333に近いMT3332のデータシートを見つけたのですがそこから察するに
やっぱりGLONASSとBeidouの同時使用はできないぽいです…GPS(SBAS・QZSS含む)と
GLONASSとBeidouの3波同時受信ができたらより強力な補足精度が期待できたのですが、
そう旨くはいかないようです。現時点ではGPS+GLONASSかGPS+Beidouの運用かを選択
する必要があるようですね。

補足ですが今回は実験的に無理やり別モジュールのファームウェアを適用して試しました
のでパッチアンテナ/チップアンテナはBeidouの周波数には対応していないものです。
本格的にBeidouを利用したい場合はやはり専用のパッチアンテナが付いているGms-b6を
使用するほかないようです。

GPS/GLONASS/Beidouの3波対応のパッチ/チップアンテナは出回りだしたようですので
今後の発展に期待したいところです。

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