いろいろ試す56

ぁーGWですね〜…
出張疲れでなんもやることないので今まで貯めてきたUSBシリアル
変換で嵌ったチョイネタを公開します。


●USB-シリアル変換のRTSとかの制御タイミングは結構適当?
 いいえ、ねむいさんの脳みそが適当(仕様)

ねむいさん副業(本業は二次裏メイド)でHalf-DuplexなRS485の
ちょっとした基板を製作しておりました。

MAX485データシートから抜粋と追加。
_REとDEを一つにまとめ、HIで送信、LOで受信に切り替えます。
そのような仕組みなので何らかの方法で入力と出力を切り換えないと
いけないのでRS232-Cの規格に存在するRTS信号出力を手動で切り
変えて送受信を制御してやろうと思ったのですが…

…うまく動かない…
なんか送信がぶつかってるような…
最初FTDIのやつ使ってたのですが通信できたりできなかったり
そんでProlificのやつ使ったら全く通信できにゃい!!!
ぬがああああああ!111!!!1!!

というところでようやくオシロスコープを引っ張り出して波形を
確認することにしました。ねむいさんいつも他人にはオシロで
ちゃんと波形確認しろと言っておきながら自分もめんどくさくて
やってない。

まぁそれは置いといて実際測定してみるとなんでか分かった。
まず検証に使ったソースコードですがVC++で適当にプロジェクト
作ってCreatefileでCOMポート開いてその際にDCB構造体のfRtsControl
に"RTS_CONTROL_TOGGLE"を設定しておきます。
これでWrite関数を実行、具体的には送信したい文字列を…
今回はDAAAAAAAAA¥r¥nというゼEROみたいな文字列を1秒ごとに
吐き続けるやつで検証してみました。




イケてるとき。
信号レベルはTTLレベルなので反転前なので注意してください。
ここで見るべきは文字列送信終了後にRTSが変化していることです。
でも1.5mSecもかかって信号レベルが遷移している・・?


イケてないとき。
なんと試行して数回目で発生した!!
送信し終わってないのにRTSが戻ってる!!!!
こりゃだめだ…。

RTSの信号をEscapeCommFunction関数で手動で変えてみたりしましたが
文字列送信中にRTSが受信方向に変化しやがったり逆に何mSecも戻
らなかったりもうぜんっぜんだめ…

もう疲れたのでFTDIの奴は置いといて今度はProlificのチップ
使ったUGREEN製のUSBシリアル変換ケーブルで試してみました。

注:信号レベルはRS232なので注意。それと時間レンジに注目!
おいいいいいいいいいいいいいいいいい!!1!!1!!!!
Open関数を実行したとたんRTSが立ちっぱなしになってもとに
戻らなくなってしまいました(COMポート閉じるまでこのまま)
お前なんなんだYO!

これはいけない。

ということでネットの海にダイブしていろいろ調査していると
ねむいさんと全く同じ状況に陥っている方がいました。
西村備山様の"滴了庵日録"の下記ブログ記事にはねむいさんと同じように
文字列を送り終わる前にRTSが変化しているのがわかります。
・FTDIのUSBシリアルの不具合?

また、さらに調査されていてHalf-DuplexでRS485をやりたい人は
TXDEN信号を使えばいいとのことです。
・PCのCOMポートをRS485に接続する

なぜRTSが適切なタイミングで変化してくれないのか、USBの規格や
仕様を考えたらすぐ分かる話なのですが物理COMポートはuSec単位で
反応できる一方、USBでは最速でも1mSec(USBフルスピードで)の
"フレーム単位"ごとにしか状態を変えられないことにあります。

また、西村様の上記記事の最後にFTDIのドライバでRTSがうまく
変化してくれないと言及されておりますが我らがProlific
至ってはおそらくOpenFile(COMポート開いた)のタイミングで
RTSがいきなりビンッビンにおっ立ってしまい、もう治まり
そうにありません!!1!!もう許ちて!!!!


…すみません下ネタに近いこと言ってしまいましたが西村様のブログ記事に
倣い、FTDI系では方向制御にTXDENを使用することにしました。

うーむ完璧!USBシリアル変換でRS485でHalf-Duplexな通信
したい人はFTDIならTXDENを使えば良いですね。なんだかんだ
言ってFTDIが一番安定して使いやすいですし。


ちなみに秋月で販売しているCH340Eシリアル変換もTXDENに相当する
制御用ポートがあります。

秋月電子のデータシートより抜粋。
CH340EにはTNOWという端子がありこれがTXDENに相当します。
こいつを引っ張り出してあげましょう。モジュール上にはちょうどR4が
TNOWに付いてて半田もしやすいですね。


うーむこれも完璧☆

今を時めくUSBType-Cコネクタで何より安いのでこれは使い勝手良いかも!?


え、肝心のProlificはどこ行ったって?
ありゃだめですよぅ…(もはや測定する気力がない)。

20231103追:
HumanData様のサイトにRTCをトグルした際の遅延を測定した
データがあります。非常に参考になりました。
やはり2~3mSecの遅延があるようですね…
https://www.hdl.co.jp/USB/jkn016/
https://www.hdl.co.jp/USB-001/usb001-t4.html



●CP2102のぱちもん
前々回DS18B20のぱちもんを紹介しましたが中華製ぱちもん半導体の
勢いはとどまることを知らない。過去にFTDIの偽物が出回ってそれ
つぶすドライバが配布
されて大混乱になりましたが、駆け込み寺で
使用されたSiliconLabs製のCP2102にもぱちもんが蔓延していた
ようです。

2017年にアメリカのMAKER系イベントで配布された名札代わりの
ボードの中に使用されていたUSBシリアル変換IC(CP2102)に偽物が
混ざっており動作せず人海戦術で対応に当たったという事象

ありました。

なおこのぱちもんCP2102はUSB-TTL(3.3V出力付き)Breakoutボード
としてAmazonやebay,Aliexpressでも蔓延しており、見分け方が
提示されておりました。


さらに調べるとロットNo.と思われる部分に"DCL00X"と刻印されてる
奴はぱちもんのようですね。
さらにその基板はReset端子がVbus(+5V)直結になっているため、
Reset端子から電流が流れ込み+3.3Vラインが+4Vとかになってると
思われます。一応全端子5Vトレラントのようですがデータシートの
説明にはVDD(内部3.3Vレギュレータ)に4.7kohmでプルアップせよ
と明記されてますね。
抵抗じゃなくてヒューズがついてるのはOKとかそうではなくこの
パチモンCP2102使ったぱちもんモジュールを使うのを避けたほうが
いいですね…


ところで私の持ってるCP2102は大丈夫なのか!?調べてみました。

DOIT-AM製のESP32-DevKit-Cです。
DCL00Xじゃなくてとりあえず安心…

ESPRESSIF製のESP32-DevKit-C-VE
CP2102Nでした。多分大丈夫でしょう。
ESP32-DevKit-C-VE

ESP32-S3-DevkitC-1
こちらもCP2102Nでした。

今現在CP2102が実装された基板はESP32系だけでした。DOIT-AM製の
2016年末くらいの奴は怪しいかなと思ってたのですが回路図見たら
ちゃんとデータシートの言いつけを守っておりました…サスガダァ…

因みにDOIT-AM製初期のDEVKIT-Cと秋月で購入したESP32-WROVER-E
を使用したESP32-DevKit-C-VEにはADP3338に交換済みです…!!
一方最新のESP32-S3-DevkitC-1に使用されているLDO、SGM2212
ADP3338には及びませんがVdrop最悪値が0.6Vなのでまぁ使える
レベルにあると思います。



●UGREEN製のUSBシリアル変換を改造してみた
最初のRTSの件で使用したUGREEN製のですがRS485変換には使い物に
ならなかったのでとりあえず分解してみました


結構な化粧箱に入っておりました。921600bps対応とか抜かして
ますがもちろんそんなボーレートで通信できませんでした。


とりあえず殻むきして中身を出してみます。
よくあるDsub9Pinのコネクタを利用した基板直付けタイプですが…
なんかずれてて隣のパタンとショートしそうになってました!!


Dsub9pinコネクタを外してみました。金メッキとか抜かしてました
外から見える部分だけ金メッキでした…びんぼっちゃまくんかな?


Prorific製ICはPL2303TAが使用されていますがこのチップ、すでに
ぱちもん対策で廃版になっておりPL2303Gが最新です。
ねむいさんPL2303Gが使用されてると抜かしてたので買ったのですが
まぁチャイナリスクってやつです(12年ぶり2回目)


信号レベル変換ICはZT213LEEAなるものが使用されています。
MAX212系のRS232Cレベル信号変換のICの中華版でしょうか。


データシートを見るとMAX250kbps...
ねむいさん921600bps対応って抜かしてたので買っ(ry


とりあえず先ずは使い勝手を良くしちゃいましょう。
これからシリアル番号をつけて同じPCのどこのUSBポートに
挿してもCOMポートが固定されるように改造します。


PL2303TAのデータシートは外付けEEPROMは24C02を要求してますので
これをつけてやります。


ついでに空いていたD1に青色LEDつけちゃいます。


さらにどっかから拾ってきたEEPROMWriterでシリアル番号の書き換えに
成功です!やったぜ。


基板を覆っていたモールドは取り出し時に破壊しちゃいましたので
コネクタを追加して元のケーブルも活用することにしました。
ていうかケーブルだけは作りが無駄にしっかりしてますね…


まぁ仕事で使うのって9600bpsが関の山だから921600bps出なくても
良いっていえば良いんですけどね…ぶつぶつぶつ・・・・



そんなわけでUSBシリアル変換のことばかりだらだら紹介してしまい
ましたがUSBシリアルについてはこれだけは言わせてもらいたいです!

1.FTDI製はやっぱり鉄板
  ->何だかんだで一番安定してます。
   迷ったら真っ先にこれを使いましょう!もちろん本物をですよ!
  
2.中華製ぱちもんには気をつけろ!
  ->AmazonやAliexpress,ebayでは偽物に気を付けてください。
   安物買いの銭失いとならないようにしましょう。

3.あえて中華製使いたいのならお覚悟を
  ->Prolificとかはぱちもん対策でばんばんモデルチェンジ
   してますが正規品でもちょっと道から外れた使い方したら
   思ったように動かないとかざらだったりCH340系もかなり
   癖があるので心してかかるように、また他の方の使用記を
   しっかり読み込んだ上で挑みましょう!

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