OpenOCD小ネタ10 -VersaloonのSWD正式対応とKinetisドライバの小改修-

●祝!Versaloonが正式にSWD接続対応になった。
先日、JTAGkey2に代表されるFTDI系のデバイスがSWDに対応しました。
それに続いてVersaloon(OpenOCD内ではvsllinkと呼ばれています)の
コードも大幅に見直しがされてSWD周りのadi-v5の依存部分が完全に分離、
再構成されて晴れて正式にSWDに対応となりました。
それに伴い以前紹介していた導入手順と変更になる個所が幾つか
ありますので、皆さんが迷わないように変更すべき個所を以下に述べます。

1.LibUSBが0.1系から1.0系になった(超重要!)
Versaloonは従来からUSBのドライバとしてLibUSB0.1系APIを使用して
いましたが、今回のSWD対応で1.0系に切り替わっています。
Zadig等の自動インストーラで0.1系ドライバを適用してる場合は
LibUSBKかWinUSBに切り替えておきましょう。

2.Versaloon用cfgファイル
ねむいさんはVersaloonのswd対応用として特別なcfgファイルを提供して
おりました。その中でVersaloon用の固有コマンド"swd_delay"と
"swd_trn"が設定されていましたが、swd_trnは2に固定化されハードコード、
swd_delayはイニシャライズ時のadapter_khzの解釈に取り込まれそれぞれ
廃止になっております。自作のswd用のcfgを作成されている方は
swd_delayとswd_trnの定義は削除してください。

ソースコードを見た限りではJTAGKey2を使う場合と違ってSWCLKの
クロックの設定最初の定義以降は動的に変えられないように見受けられ
ましたが(ソース上では変更できる余地がある)あえてそうした理由も
含めてこれからさらに探ってみます。

私のOpenOCDのバイナリは既に正式にSWDに対応した版に切り替わって
いますがまだVersaloonを現役で使用されている酔狂な方は上記2点を
見直し各自対応願います!


●VersaloonのConnetUnderResetとkinetisドライバと
"今まで正常に書き込めてたのに急にうまく動かなくなった"問題をほぼ解決
してくれる心強いConnectUnderReset機構はSTLink/V2で絶賛活躍中です!
…と言いたいところですがSWD接続の場合、STLink/V2以外の殆どの
デバッガアダプタでマトモに機能していないことが判明しましたorz

それが判明した経緯は私がOpenOCDのgerritにkinetisドライバのちょっとした修正
送ったことにあります。他のユーザさんから"Kシリーズでセキュリティ状態の
有効/解除上手く出来てるのか?"と問われ、SWD接続の方のVersaloonで試して
みると確かにセキュリティ状態が解除できませんでした。手でリセットボタンを
連打すると解除できたのを不審に感じ、
(Kinetis-Kシリーズはセキュリティ状態の解除に外部SRSTの操作が必須。
3月初めにkinetisのフラッシュドライバに大幅変更がかまされたとき
KL25とかのKLシリーズでしか試してない人がリファレンスマニュアルを
よく読まずKLシリーズに特化して機能を再実装してしまった…!
そのせいでK40とかの古いシリーズではうまくいかなくなるという
憂き目にっていうか前々々回のguranualityがらみでエンバグ直した時もそうだけど

お前らちゃんとリファレンスマニュアル読めやぁあああああああああああああ!!)

…ッ…はぁはぁすみません取り乱しました…ぇっとオシロスコープでSRSTの
動きを観測するとまったくConnectUnderResetしておりませんでしたorz

↑全くダメですこれ
ねむいさんてっきりハイレベルなレイヤでこの機構が入ってると思ってた
のですが・・・・
なんとSWDの場合だけローレベルのデバッガアダプタ依存処理なのでしたorz
というわけでvsllink.cのイニシャライズの所にConnectUnderReset機構
ぶち込んであっさり終了です#

↑これですよこれ!


まさかと思ってJTAGKey2でSWD接続で試してみると同じ結果でしたorz

↑SWD接続orz

↑JTAG接続だとちゃんとConnectUnderResetしている…
 手前にresetがHレベルにあるのにTCKが動いてますがこれはSWD-JTAGの
 移行シーケンスなので電源投入直後なら特に問題はないです
 (正直これもちょっと???ですが)

おきぱにあるバイナリは現状VersaloonにだけConnectUnderResetの
ぱっちを当てていますが、FTDI系は一筋縄ではいかずかなり手ごわいので
慎重に対応していきます。

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